福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しが、カメラの不具合で中断している問題を受けて、東京電力は10月24日にカメラ交換作業が完了したとした。

試験的取り出しの中断をめぐっては、ロボットが一度はデブリに触れたものの、画像のように2台のカメラの映像が途切れてしまったことから作業が中断されている。
強い放射線に晒されたことで内部に電気がたまって不具合を起こしたとみられ、再起動や強い電圧をかけることでも復旧せず、カメラの交換を行う決断に至った。

東京電力は10月18日までに不具合を起こしたカメラ2台を交換し、映像が見られるようになったことを確認。その後、ロボットと遠隔操作室との通信確認や、格納容器からの放射性物質の逆流を防ぐための作業部屋への窒素の注入などを行った。
カメラは、同じ種類の別のものに交換されたが、東京電力は「前回は試験的取り出し作業中にカメラのスイッチを一時的に切ってしまったが、次は起動状態を維持して電気がたまらないようにすることで同じような不具合を回避する」としている。

東京電力はこのあと、試験的取り出し再開に向けての手順の再確認などを行うとしていて、この再開時期はまだ見通せていない。

燃料デブリの取り出しは廃炉の最難関とされ、試験的取り出しも当初2021年中に実施される予定だったが、ロボットの制作遅れや変更などで延期されていた。
取り出しの準備が整い、2024年8月22日に着手されるはずだったが、作業工程のミスで再び延期。9月10日に再開されたものの、カメラの不具合で9月17日に中断し、1か月あまりが経過している。

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