岩手県一関市の公共工事を巡る官製談合事件で、現職の市の職員と業者側合わせて3人の初公判が盛岡地方裁判所で開かれました。
裁判は即日結審し、検察側は市職員の被告に懲役1年6カ月を求刑しました。
官製談合防止法違反などの罪に問われているのは、一関市都市整備課課長補佐の金今進被告(61)、公契約関係競売入札妨害の罪に問われているのは、一関市に本社があるフジテック岩手の元代表取締役・千葉登美夫被告(72)と元取締役の千葉里美被告(47)です。
起訴状によりますと、金今被告は2022年7月から約1年間、市が発注する工事の入札情報を業者側に漏らした罪に、業者側の千葉登美夫被告らはこの情報をもとに公共工事を不正に落札した罪に問われています。
千葉登美夫被告らとともに同じ罪で起訴された一関市に本社がある永沢水道工業の元取締役・千葉敏郎被告(68)は、市の元職員に対する贈賄の罪と合わせてすでに審理が終わり、検察側が懲役2年を求刑しています。
24日の初公判で3人は起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で金今被告は工期が迫っているなどの工事について、フジテック岩手か永沢水道工業のどちらかに落札させようとしていたと指摘。
これについて弁護側は、入札が成立しなければ工期が伸びてしまうなどの弊害を懸念して情報を漏らしたと動機を述べました。
また、永沢水道工業が市の職員から得た入札情報をもとに、業者間で談合を仕切っていたこと、フジテック岩手は永沢水道工業の指示に従わなかったところ入札を妨害されたため、対抗手段として犯行に及んだことなど事件の背景を明かしました。
裁判は即日結審し、検察側は金今被告に懲役1年6カ月、千葉登美夫被告に懲役10カ月、千葉里美被告に懲役1年を求刑。
一方、弁護側は金今被告に罰金刑を、残りの2人には執行猶予付きの判決を求めました。
判決は12月3日に言い渡されます。
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