防衛省は24日、中国海軍の「ドンディアオ級情報収集艦」1隻が鹿児島県の奄美大島とその北西にある横当(よこあて)島間の接続水域を航行したと明らかにした。22日にも同種の情報収集艦1隻が同じルートを航行したことが確認され、いずれも南西諸島周辺で実施されている自衛隊と米軍の共同統合演習「キーン・ソード」を監視し、けん制する狙いがあるとみられる。
防衛省統合幕僚監部によると、ドンディアオ級情報収集艦は24日午前7時ごろ、奄美大島から西に約90キロの東シナ海を東進。その後、各島の周囲に広がる領海に挟まれた接続水域を抜けて太平洋に向かった。この間、海上自衛隊の艦艇が警戒監視に当たり、危険な行為は確認されていない。
キーン・ソードは日米が隔年で取り組む最大級の実動演習で、今回は11月1日まで実施。約4万5000人と艦艇約40隻、航空機約370機を投入し、武力攻撃事態を想定した水陸両用作戦など各種訓練を予定している。訓練エリアは南西諸島をはじめ、九州・沖縄が中心となる。
日本近海をしばしば航行するドンディアオ級情報収集艦の目的は電波の傍受などとされる。政府関係者は「訓練につきまとうような動きを見せることもある。何を収集しているのか分からないが、手の内を読まれないよう注意を払う必要がある」と話した。【松浦吉剛】
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