インターネット上で公開されている対話型の生成AI（人工知能）を悪用してランサムウエア（身代金要求型ウイルス）を作成したとして不正指令電磁的記録作成などの罪に問われた林琉輝被告（25）の判決公判が25日、東京地裁であった。川瀬孝史裁判官は懲役3年、執行猶予4年（求刑懲役4年）の判決を言い渡した。
検察側は論告で、林被告がランサムウエアの設計図にあたる「ソースコード」を作成し、金を稼ごうとしたなどと指摘。実際に使用されなかったが「いずれ犯罪に供される可能性があった」と強調した。
公判では、林被告がプログラミングに関する知識がなく「ChatGPT」の非公式版を悪用してランサムを作成したことも明らかになった。被告は起訴内容を認め、弁護側は「楽に稼ごうという軽率な動機だった」として寛大な処分を求めた。
起訴状によると、林被告は2023年3月31日ごろ、パソコンやスマートフォンを使い、特定のファイルを暗号化するソースコードを作成したとされる。他人名義で暗号資産（仮想通貨）口座を開設したなどとして、犯罪収益移転防止法違反や詐欺の罪にも問われた。
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