参列したウクライナの子供たち=姫路市西延末で2023年10月26日午前11時25分、村元展也撮影

 兵庫県姫路市の手柄山中央公園にある「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」で26日、追悼平和祈念式があった。遺族ら約400人が参列し、不戦の誓いを新たにした。

 空爆を受けた110自治体でつくる「太平洋戦全国空爆犠牲者慰霊協会」(事務局・姫路市)の主催。慰霊塔は全国の犠牲者を慰霊する国内唯一の施設で、1956年に姫路市が呼び掛けて建立。完成日に合わせて毎年、式典を開いている。

 清元秀泰市長は「世界では一般市民が犠牲になる不条理な争いが今も繰り返されている。恒久平和の願いを世界の隅々にまで届けていく」と述べた。石破茂首相の追悼の言葉も代読された。

 義理の父親が姫路空襲(45年6月)の標的となった航空機工場で犠牲になったという市内の女性(79)は「生きている者の務めとして悲しい歴史を忘れず、伝えていかなければ」と話した。

 市の招待で来日中のウクライナの12~16歳の子供たち10人も参列し、献花した。ロシアによる侵攻後、家族とポーランドで避難生活をしている。ダリア・クレックさん(14)は式典後、「(侵攻後は)悲しさ、うれしさといった感情を感じられなくなっていた。今回の来日で少しずつ戻ってきている」と語った。【村元展也】

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