電力小売事業者が実施する節電プログラムを支援する国の補助金を巡り、予算計上した1783億円のうち5割超の1017億円が使われなかったことが6日、会計検査院の調べで分かった。節電プログラムの利用者数が国の想定を大きく下回った。検査院は適切な需要把握に加え、事業内容の十分な周知など利用を促す取り組みも求めた。
検査対象となったのは、節電に協力した家庭や企業に電気料金割引やポイントを付与する節電プログラムを実施する電力小売事業者への補助金。電力需給の逼迫やエネルギー・食料品価格の上昇を受け、電気の効率的な利用を促すため2022年度に始まった。プログラムの登録者数や登録者の節電の達成実績に応じて費用を補助する仕組みだ。
検査院によると、所管する資源エネルギー庁は予算計上に当たって節電プログラムへの家庭と企業の参加率の目標を50%とし、必要な予算額を1783億円とした。
ところが実際には家庭向けは8.2%、企業向けも24.1%と大きく目標を下回った。286の電力小売事業者に補助金が交付されたものの、1017億円が使われないまま不用額として国庫に返納された。
検査院は一部の節電の達成状況を資源エネルギー庁側が把握していなかったと指摘。参加見込みの適切な把握や達成度を評価するための成果指標の設定、事業内容の十分な周知や参加しやすい仕組みの整備に取り組むよう求めた。
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