2019〜23年度の中期防衛力整備計画(前中期防)に盛り込んだ24種類の主要装備品の整備状況を会計検査院が調べたところ、海上自衛隊の艦載型無人ヘリについては最終年度まで契約先が見つからず、予算計上されていなかったことが6日、分かった。

国は整備する主要装備品の数量は開示していたが、契約状況は公表していなかった。検査院は23〜27年度の現在の中期防の契約状況を国民に丁寧に説明するよう求めた。

検査院によると、海上自衛隊の艦載型無人ヘリについて事前の市場調査で要求性能を満たすものを製造できる企業が1社あることを確認し、契約に向けて準備を進めたものの、当該企業が途中で生産ラインを閉鎖し、製造を取りやめたため契約に至らなかったという。

検査院は予定を1年前倒す形で22年末に策定された現在の防衛力整備計画(23〜27年度)の予算執行状況も検査した。同計画の防衛費総額は約43兆円と前中期防の27兆4700億円から大幅増額となっている。

検査院は調達額を複数年度に分けて支払う「後年度負担」の金額が23年度は9兆4500億円超と19年度(4兆6900億円超)の約2倍に増えるなど支払期間が長期化していると指摘。米国から有償援助を受け、高度な装備を調達する「対外有償軍事援助(FMS)」の枠組みを使った取引も増え、23年度には1239億円の為替差損が生じた可能性も指摘した。検査院は防衛省に後年度負担額などの適切な管理と情報の開示を求めた。

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