鳥栖市元町の鳥栖工業高校で8日、キューポラ(溶解炉)を使った伝統の溶解実習があり、機械科2年生の36人が参加した。生徒は声を掛け合いながらチームワークでオレンジ色に溶けた鉄を鋳型に流し込んだ。
鋳造など物づくりの基本や作業の安全を学ぶのが目的。朝、コークスや鉄くずなどをキューポラに入れて点火し、午前11時に「カーン、カーン」と鐘が鳴らされると、ドロドロに溶けた約1400度の鉄が、キューポラから容器に流れ出た。
生徒はグループに分かれ、交代しながら鉄を杓(しゃく)に取り分け、鋳型に流し込む作業を繰り返した。出来上がった素材は、3年時に製作する手巻きウインチの部品や、卒業生に贈る記念品となる。
昨年は全国高校駅伝競走大会を走り、今年も同大会を12月に控える駅伝部員、今村仁さん(17)は「(鉄を入れた杓は)思ったよりも重く、緊張で手が震えた。危ないので声を出してコミュニケーションを取ることを意識した。皆が一つになった感じがした」と笑顔を見せた。
実習は12月にも残る機械科2年生40人が参加して実施される。【西脇真一】
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