成田空港のカスハラ対策方針を説明する成田国際空港会社の田村明比古社長=千葉県成田市で2024年10月28日、合田月美撮影

 カスタマーハラスメント(カスハラ)から従業員らを守るため、成田国際空港会社は「成田空港におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定したと発表した。同社によると、空港でカスハラへの基本方針を作成する試みは全国で初めて。

 テナント企業からの要望を受けて、同社や同空港内の事業所で構成する「成田空港CS協議会」が定めた。

 基本方針ではカスハラについて「スタッフの就労環境を物理的または心理的に害される行為の全て」などと定義。「度を超えた要求にはこの方針に従って毅然(きぜん)とした対応をする」とした。

 具体例として9項目を列挙。「大声、暴言、侮辱、誹謗(ひぼう)中傷、差別的発言等」の項目では「職種による差別や容姿をやゆする侮辱的な言動」などとそれぞれ事例を示した。

 同社によると、同空港で週に数件、カスハラが発生。中には、本人とは無関係にもかかわらず長時間、従業員を叱責した揚げ句、飛行機に乗り遅れたとして弁償を求めてきた事例もあるという。同社の田村明比古社長は「心理的な安心感の中でサービスができるスタッフがいる現場は、お客様にとってもよいサービスができる。両方にとってプラスになると期待している」と話した。【合田月美】

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