UFO(未確認飛行物体)の目撃情報で知られる福島市飯野町で9日、地域活性化を目指す「UFOフェスティバル」が開催された。今年で3回目。宇宙人の仮装パレードには市内外の老若男女が思い思いの扮装(ふんそう)で参加。飯野のレトロな街並みを練り歩き「宇宙人も地球人も盛り上げよう」と楽しんでいた。
旧飯野町(2008年に福島市と合併)では1970年代から町北部の千貫(せんがん)森(標高462メートル)周辺でUFOの目撃情報が相次いだ。これを生かして92年、千貫森中腹に「UFOふれあい館」を開館。21年には同館に「国際未確認飛行物体研究所」を設立して、月刊「ムー」の三上丈晴編集長(56)を所長に迎えた。
福島市は取り組みをさらに発展させて、5月に市全体の官民連携で盛り上げる「UFOの里づくり推進委員会」を設立。飯野で栽培した酒米と宇宙から帰還した酵母を使った日本酒を醸造するなど、地域ぐるみでUFOを活用している。
フェスティバルのオープニングでは、主催する飯野まちづくり研究会の阿曽隆一会長(54)が「町内には千貫森や巨石群など宇宙に関わるものがたくさんある。皆さんに謎を追い求めてほしい」とあいさつした。
三上さんは「米政府がUFOを本格的に研究する機関を設立し、日本でも超党派議連が立ち上がった。飯野町のイベントにも本物の宇宙人が紛れ込むことを目指して、ますます発展させてほしい」と呼び掛けた。
パレードは飯野の商店街を練り歩いた。仮装のコンテストもあり、三上さんらが今年から「UFO大賞」「宇宙人に見えた人」「UFOを呼べた人」などを選んで表彰した。
6歳のめいと参加した福島市の女性は「外から見ると、とがった町づくりをしていると思われるけど、飯野の人たちにとってはUFOがナチュラルに日常の文化に溶け込んでいる。それが楽しくて、毎年楽しみにしています」と笑顔。伊達市の13歳、10歳、7歳のきょうだいは「初めて参加したけど、みんなが応援してくれてうれしかった」と喜んでいた。【錦織祐一】
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