チョコレートを組み立てるとロケットに――。九州工業大(戸畑区)は、ネジとボルト型のチョコレート「ネジチョコ」を製造・販売する「オーエーセンター」(小倉北区)とコラボした新商品を開発し、販売を始めた。その名も「ネジチョコロケット&超小型人工衛星型チョコレートセット」。商品を考案した九工大大学院1年の畠山雄樹さん(23)は「ロケットを食べるという強烈な体験を楽しみながら、宇宙に興味を持ってほしい」と話す。
九工大は宇宙環境下の条件を再現できる「超小型衛星試験センター」を持ち、7年連続で小型衛星打ち上げ数が世界一を誇るなど衛星開発の世界的な研究拠点でもある。だが、大学院で超小型衛星を研究している畠山さんは「全国的な知名度が不足している」と感じていたという。
「知名度不足は人材や研究・開発資金の不足にもつながる。お菓子を入り口に、宇宙や九工大に興味を持ってもらえないか」。そう考えた畠山さんは昨年秋、北九州土産として人気が高い「ネジチョコ」を手がけるオーエーセンターの吉武太志社長に直談判し、九工大と同社による共同開発が実現。試行錯誤を繰り返しながら約8カ月かけて商品開発にこぎ着けた。
新商品は、ネジチョコのナットを使ってパーツをつなぎ合わせてロケットを作るネジチョコロケットと、九工大で開発され、パッケージにもあしらわれた超小型衛星を模したチョコレートがセットになっている。値段は1000円(税別)。
畠山さんは来年早々にも自身が開発に携わった超小型衛星を打ち上げる予定だ。「宇宙研究はまだハードルが高いと思われているが、九工大というチャレンジの場があることを知ってほしい」と期待し、ネジチョコロケットの“打ち上げ成功”も願っている。
販売は当面、オンラインで。今後、全国の博物館や宇宙関連施設での販売を予定しているという。【山下智恵】
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