警察庁は13日、原付免許で運転可能な二輪車の範囲を広げる改正道路交通法施行規則を決定した。改正規則は2025年4月1日に施行され、総排気量125cc以下で最高出力を制御した二輪車も原付免許で運転できるようになる。改正は業界団体が求めたもので、メーカーは新たな区分に対応した商品開発に動き出している。
現行の原付免許で運転できるのは総排気量50cc以下の原動機付き自転車(原付き)に限られ、50cc超の車両は普通二輪免許や小型限定普通二輪免許が必要になる。改正により125cc以下のうち、原付きと同等の最高出力(4キロワット)に制御した二輪車の運転も認める。
見直しの背景には25年11月に導入される排ガス規制がある。新規制に対応するためには開発コストがかさみ、低価格で買えた50cc以下の原付きの良さを損なう。メーカー各社は50cc以下の生産を終了させる一方、警察庁に免許区分の改正を要望していた。
警察庁は23年9月から有識者検討会で見直しを議論してきた。検討会がまとめた報告書は、125cc以下の二輪車でも出力を抑えれば安全性と運転の容易性を確保できると結論づけた。排気量は上がるが2段階右折といった原付き特有の交通ルールに変更はない。
ホンダは25年11月にも新たな原付きを販売する。運転免許の区分見直しに対応し、排気量125cc以下の二輪車で最高出力を抑えた商品を開発する。現在販売する125cc以下の「スーパーカブ110」など2車種の出力を抑えた車両を想定している。
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