■父親の修被告が出廷…初の検察による反対尋問で明らかにしたこと
2023年7月、北海道札幌市ススキノのホテルで男性が殺害されたあと首を切断された事件で、田村瑠奈被告(30)が殺人などの罪で、父親の修被告(60)と、母親の浩子被告(61)が殺人や死体遺棄などのほう助の罪で逮捕・起訴されました。
2024年11月20日午前11時から、浩子被告の6回目の公判が札幌地方裁判所で始まりました。
裁判では検察が修被告に反対尋問を行いました。検察が修被告に尋問するのは初めてとなります。
■「あなたに首絞めは?」検察の問いに修被告「つらい状態に火に油を注ぐことはしないようにした」
20日の裁判では、検察による修被告への反対尋問が行われました。
<検察と修被告のやりとり>
Q・浩子被告とどんな共有をした?
修被告:完璧に共有しているわけではない
Q・重要なことを共有していた?
修被告:これを確認したいというやりとり、必要と思うことをやりとりしていた
Q・ゾンビ妄想が出た。18歳から瑠奈被告に注意できなかった?
修被告:全てが注意できなかったわけではない、すごく興奮してこれは言ったら逆効果かなと思って言わなかったりした。そちらが求めているとした、普通の人とは違ったかなと思う
Q・瑠奈被告を追い詰めないようにしていた?
修被告:本人の状態を見て、これ以上言わないようにしていたこともあるし、言った方がいいかなと思うことは言っていた。瑠奈被告は「生きていたくない」「私はもう死にたい」ということがあった。毎日朝から晩まで、奴隷のように従っていたわけではない。
Q・瑠奈さんの対応で家族会議はしたのですか?
修被告:家族会議という、こういう風にした方がいいかなと共有したりしていた。浩子は家にいたので「これはこうじゃないの」と言う機会は多かったと思う、浩子は細かいことは言うことはあった
Q・瑠奈さんから暴力受けましたか?
修被告:それはあります。われわれが(暴力に対して)恐怖を抱いたというか、それ以上本人を追い込まないようにと思った。暴力的な態度とるときあったが(暴力が)目的というか取り乱す感じ
Q・あなたに首絞めはした?
修被告:したことはあったが気を失うことはなかった。そういうことをするぐらい追い詰められている、つらい状態に火に油を注ぐことはしないようにした
■修被告「家の中では瑠奈はブロークンイングリッシュしか話さない、浩子は日本語で返信してた、暴力に支配されていたということではない」
Q・浩子被告に瑠奈被告が暴力をふるうことはあった?
修被告:家の中では瑠奈はブロークンイングリッシュしか話さない、浩子は日本語で返信してた、暴力に支配されていたということではない。瑠奈から「自分はこれ以上生きていたくない殺してくれ、殺すことがあなたの役目」と繰り返し言われたが「それはできません」と言った。
Q・解決策?
修被告:1番は信頼する先生のもとに通うことだが、ご病気でやめられた、それ以降見つかっていない
Q・瑠奈被告を苦しめないようにどうすればいいか?共有していたのですか?
修被告:それは親として自然な共通認識
■修被告が明かした状況…「自分もこれ以上生きていたくない、だから私を殺してくれ。殺すことがあなたの役目なんだ」と瑠奈被告に繰り返し言われた
Q・瑠奈被告の望みは?
修被告:何を望んでいるか今も含めてほとんどわかりません。「自分もこれ以上生きていたくない、だから私を殺してくれ。殺すことがあなたの役目なんだ」と(瑠奈被告に)繰り返し言われたが、それはできませんと言った。
Q・他にはなかったか?
修被告:なんでも言いなりになったわけではない、全て覚えているわけではない、
Q・瑠奈さんの望みをなんでも叶えたわけではなないと?
修被告:はい。興奮がおさまってしまえば、ある意味、楽にゼロになる。「生きていたくない、殺してくれ」と(瑠奈被告に)言われ周りに誰かいるの耐えられないから一晩ホテルに泊まったりすることはあった。次の日は普通の生活をする。
■「瑠奈被告が被害者と会うのはSMプレイだけだと思った?」修被告の認識は?
Q・今回の事件。あなたは瑠奈被告が被害者と会うのはSMプレイだけだと思った?
修被告:はい
Q・被害者と会うのをやめさせようとした?
修被告:はい
Q・あなたと被告人、瑠奈被告にやめさせようとしたことはあるか
修被告:瑠奈に対してはやめさせようと強く言ってない。
Q・前回約束破って避妊具をつけずに会った、その懸念があった?
修被告:それはありました
Q・(浩子)被告人から脅してでも辞めさせる
修被告:こんなストーリーはどうだろうというのはあった。脅してまではない。
Q・暴力団を装ってではない?
修被告:ストーリーだから相手は信用しないだろうし、脅してまでもというのは趣旨やニュアンスが違う
Q・(浩子)被告人がストーリーを考えた?
修被告:私もストーリーとしてはあまり受け入れられないので(瑠奈の)関係者として会ってよくないと(被害者に)伝えるのができることじゃないかと話し合って決めました。
Q・(浩子)被告人、瑠奈被告のこと心配していたからじゃないか
修被告:妻も心配していた
Q・どんな心配していたか
修被告:会いに行く人物が好ましくない人物、その1点です。会わせたくないという親としての気持ちです。
Q・また傷つけられるという心配か
修被告:中身うんぬんよりも会わせたくないというんじゃないか。確認していないので分かりません。
Q・瑠奈被告のことを心配してたということ?
修被告:(浩子)被告人は心配はしていました
Q・被害者に会わないよう言ったけど、瑠奈被告と会うということでしたね。電話の結果を(浩子)被告に伝えたか
修被告:(被害者に)極力会わないでほしいとは伝えて、向こうがどう出るかというニュアンスぐらいは(浩子被告に)伝えたと思う。絶対はない。確証はないので。後は祈るようなもの
Q・(浩子)被告が瑠奈被告を心配していませんでしたか
修被告:常に心配している。
■修被告「SMプレイするということで、本人はうきうきしていた。祈るような気持ちで送り出した」
Q・(浩子)被告が瑠奈被告を心配していませんでしたか
修被告:常に心配している。SMプレイするということで、本人はうきうきしていた。祈るような気持ちで送り出した。向こうがどういう感覚だったのか分かりません。
Q・瑠奈被告に会わないよう言えなかったか
修被告:身を挺してでもそうすれば、結果からすればそうだった。SMプレイしている、本人がやりたいSMだけして帰ってくればそれはそれで仕方ないかなと思っていた。
Q・事件当日のこと、車で送っていった?
修被告:あまり覚えてないです。待ち合わせの時間に間に合うように家を出たと思います。1年も前のことですし、いちいち細かいことまで覚えていません。
Q・午後10時30分、待ち合わせだと家は何分に出るか?
修被告:30分で着く。9時30分から10時前に出るかもしれませんが、どこでどうという記憶はありません。
Q・瑠奈被告の持ち物はどうしたか
修被告:スーツケースとバッグを持ってたと思いますが、スーツケースにはSMグッズが入ってるんだろう。細かいこと見てたら「何ジロジロ見てるの」と言われるので細かくは見てません。(瑠奈被告は)後部座席に座ってた。
Q・キャリーケースは瑠奈被告が自分で後部座席に持ち込んだか
修被告:はい
Q・あなたはスマホを自宅に置いたままだった。被告人と連絡が取れなくてよかったのか
修被告:業務用のPHSは持ってますし、スマホを置いて行ったのを覚えていない。
■修被告「首を拾ったといわれ、唐突で、え!?」
Q・瑠奈被告のパソコンを会社に持ち込んでないですか
修被告:その日に持ち込んだか覚えていません
Q・6/29にパソコンに検索履歴がありますが、検索しましたか?
修被告:覚えていません
Q・車にキャリーケースを積んだのは瑠奈被告ですか?あなたですか?
修被告:娘が後ろの座席に入れていたと思う。私はずっと運転席にいました
Q・瑠奈被告が車に戻ってきた際の様子は?
修被告:よく覚えていません。普段と大きく違いがあると思わなかった
Q・自宅に戻る際に、氷を買いましたか?
修被告:何袋か覚えていないが購入した
Q・それは近くのコンビニですか?
修被告:徒歩数分のコンビニです
Q・氷はどちらが言って買ったのですか?
修被告:娘に氷が必要だと買ってほしいと言われた。買ってほしいと言われて買った
Q・氷を買った目的は?
修被告:目的は聞かなかった。買ってと言われたので「ハイ」と買った
Q・瑠奈被告に用途は聞かなかったのですか?
修被告:氷は危ないものではなく、どこでも売っていますし、理由も聞いていません
Q・4袋を2回に分けて買っているのはなぜですか?
修被告:2回に分けて買った記憶はありません
Q・氷を8袋買ったのはなぜですか?
修被告:わかりません
Q・それは瑠奈被告が言ったからですか?
修被告:まず8袋買った記憶がありません
Q・追加で4袋を買っていますが?
修被告:娘に言われて買ったのかもしれませんが、よく覚えていません
Q・何に氷を使うのか言われましたか?
修被告:言われていません。その前にSMプレイをしている前提があるので、どこか冷やすのかなと。ただ実際はわかりません
Q・持ち帰った首に使ったのではないですか?
修被告:そうかもしれませんし、見ていないのでわかりません
Q・買ってきた氷を瑠奈被告に渡して衣装ケースに氷が入っているのを確認しているのではないですか?
修被告:まずそれが被害者の首か確認していない。ただ何かやっているなとは思いました。『首を拾った』といわれて、唐突で『え!?』と思いました
Q・衣装ケースに、球体の半分が水に浸かっていて、氷で覆われていたのではないですか
修被告:ちゃんと見たのか記憶が定かではありません
■修被告「娘が直接殺害していたとは思っていなかった。他の事件に巻き込まれたのかなと」
Q・瑠奈被告に「首拾った」と言われた時の気持ちは?
修被告:思い出すことはできない、よくわかりません
Q・瑠奈被告に誰の首なのか聞かなかったですか?
修被告:そのときは聞いてないですね。それを本人に聞いたところでこちらが必要な情報が得られないと思いました
Q・瑠奈被告がシャワーを浴びるということで、あなたは車で待機していましたね
修被告:はい
Q・あなたのスマホはどこにありましたか?
修被告:よく覚えていません
Q・浩子被告人はそのとき何をしていましたか
修被告:時間的に寝ていたと思います。そのときは(被告人と)何も話していません
Q・首を拾ってくることは一般的にありえないこと
修被告:一般的にはそうですね
Q・誰の首だと思いましたか?
修被告:その時点で思いつくのは被害者だと思うが、半信半疑でした
Q・瑠奈被告が被害者を殺害したと思わなかったのですか
修被告:何かあったのかなとは思ったが、よくわからない、娘が直接殺害していたとは思っていなかった、他の事件に巻き込まれたのかなと
Q・半信半疑なのに瑠奈被告に聞かなかったのですか
修被告:聞こうとしていないですね
Q・瑠奈被告が被害者を殺害したと少しも思わなかったのですか
修被告:ゼロではないですが、そんなに高いパーセントではないと思いました
Q・瑠奈被告に被害者を殺害したか確認しましたか
修被告:そういう確認をした覚えはありません
Q・瑠奈被告に殺害の動機や方法など聞きましたか
修被告:直接聞いたことはないです
Q・瑠奈被告から言ってきたことはありますか?
修被告:「拾ってきた」ということ以外は特にありません、理由については特に語っていないです
Q・クラブに行く予定を変えなかったのはなぜですか?
修被告:待ち合わせをしている人がいるということだったこと、本人に特に変わった様子がなく、むしろ楽しみにしているような様子だった
Q・被害者を殺害したのは瑠奈被告だと間違いないと思いましたか
修被告:報道などを見て「ああそうなんだ」と理解しました。
Q・それは7/3ですか
修被告:覚えていないです。そういう事件があったことと、首を持ち帰っていたことが繋がった。
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