広島の原爆投下直後に、放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたとして現在、岡山市に住む女性が岡山県を相手取り、被爆者健康手帳の交付を求める訴えを岡山地裁に起こしました。

訴えを起こしたのは岡山市に住む83歳の女性で、11月29日、弁護団が岡山地裁に訴状を提出しました。

女性は4歳の時に、広島県の旧津田町の自宅近くで「黒い雨」を浴びたとしています。

「黒い雨」を巡っては国が2022年、11種類の病気を患っている人などを被爆者と認定する新基準の運用を始めていて、女性はこのうちの肝炎を患っていることから2024年3月、岡山県に被爆者健康手帳の交付を申請しました。

しかし、岡山県は女性が「黒い雨」を浴びたことが確認できないなどとして24年7月に申請を却下、訴えでは申請却下の取り消しなどを求めています。

(則武透弁護士)
「東の山が光り、しばらくして音がしてさらに飛散物があったというのは旧津田町の経験者に共通した話。(女性の話は)具体性があり信用性が高い」

広島県では2022年以降、「黒い雨」を巡る同じような提訴が相次いでいますが、岡山県では今回が初めてということです。

訴えに対し岡山県の伊原木知事は「訴状が届いていないためコメントは差し控える」としています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。