大道芸を披露するギリヤーク尼ケ崎さん=新宿区で2023年10月9日午後2時8分、後藤豪撮影

 観衆の投げ銭のみを糧に生きる「伝説の大道芸人」、ギリヤーク尼ケ崎さん(93)の「芸歴55周年記念京都公演」が5月3日、京都市東山区の円山公園の藤棚前で開かれる。京都での公演は1993年からほぼ毎年実施されてきたが、新型コロナウイルス禍で2020~22年は中止を余儀なくされた。高齢などの問題から再開を危ぶむ声も多かったが、23年5月3日、4年ぶりに開催。復活を待ちわびた常連の観衆らに大きな感動を与えた。55周年公演は23年10月にまず東京で開催され、京都の後は横浜、札幌などで予定されている。【矢倉健次】

観覧自由、投げ銭歓迎

 北海道函館市生まれのギリヤークさんは、1968年10月から街頭で踊り続け、70年代半ばからはフランスや米国など、海外にも活動の範囲を広げた。95年の阪神大震災、2011年の東日本大震災の被災地や、01年の米同時多発テロの世界貿易センタービル跡地などでも鎮魂の踊りをささげてきた。近年は手足が震えるパーキンソン病、背骨が曲がる脊柱(せきちゅう)管狭さく症などを患い、心臓にはペースメーカーが入っている。東京で訪問介護を受けながら、実弟と暮らし、今回の公演は車椅子に乗って登場。車椅子も使った踊りとなる。京都入りする2日には、ギリヤークさんが「大道芸人の大先輩」として尊敬する「かぶき踊り」の創始者「出雲(いずもの)阿国(おくに)」の像(四条大橋東詰)での祈とうも予定されている。

 関西では、主に大型連休中、兵庫県尼崎市や大阪市、神戸市などでも公演を行ってきたが、今年も昨年と同様に京都のみでの開催。3日は午後2時開演予定で予約不要、観覧自由(無料)、投げ銭歓迎。小雨決行だが、荒天の場合は時間を遅らせての開催を検討する。円山公園内の開催場所は変更の可能性があり、詳細はフェイスブック(https://www.facebook.com/Gilyakamagasaki)で確認できる。

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