2021年に和歌山県田辺市で発見されたセトウチサンショウウオのアルビノ個体が、同県海南市船尾の県立自然博物館玄関ホールで展示されている。セトウチサンショウウオで初めて報告されたアルビノで、直接観察できる貴重な機会となっている。展示は28日まで。
セトウチサンショウウオは広島県から和歌山県の主に瀬戸内海沿いに分布。アルビノは黒色色素(メラニン)を持たない色彩変異の個体で、目立って捕食されやすいなどの影響で、サンショウウオの成体のアルビノが見つかること自体が非常に珍しいという。
今回展示されているアルビノは、調査で県内を訪れた岐阜県立大垣北高校自然科学部の部員らが田辺市内で発見し、セトウチサンショウウオでは初の報告例となった。飼育していた学校側から申し出があり、昨年10月に同館に寄贈された。
全長約7センチの雌で、通常個体は褐色だがピンクに近い体色をしており、目が赤いのも特徴。新たな飼育環境にまず慣れさせ、暑さに弱いため涼しくなるのを待って初めての展示に至った。餌をよく食べて元気だという。
自然博物館の高田賢人学芸員は「セトウチサンショウウオのアルビノはおそらく世界で初めての展示だと思うので、ぜひ見ていただきたい。これを機にサンショウウオ自体にも興味を持ってもらえたらうれしい」と呼び掛けている。入館料は一般480円、高校生以下無料。月曜休館。同館(073・483・1777)。【姜弘修】
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