ノーベル平和賞授賞式に合わせ、広島市中区の原爆資料館で10日、被爆者ら14人が受賞への思いを語るリレートークが開かれ、約150人が耳を傾けた。
15歳で被爆した切明(きりあけ)千枝子さん(95)=広島市=は「亡くなった友達や身内を思い出すと、喜んでばかりはいられない。命を返せと叫びたくなる」と語り、「平和であることが一番の供養。必死につかんで守っていきましょう」と呼びかけた。
9歳の時に入市被爆した豊永恵三郎(けいさぶろう)さん(88)=広島市=は韓国など在外被爆者らの支援に力を注いできた。「海外には多くの核被害者がいる。若者にもグローバルヒバクシャの問題に目を向けてほしい」と話した。
中学3年時に被爆した森下弘(ひろむ)さん(94)=広島市=は、日本被団協の初代代表委員を務めた哲学者の森滝市郎さん(1901~94年)と核実験に対する抗議の座り込みをしたことなどを振り返った。4月にオスロを訪れ、被爆証言をした森下さんは「若い人たちは核兵器が使われる危険性とともにある。自分ごととして本気で考え、対応してほしい」と望んだ。【根本佳奈】
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