部下だった女性に性的暴行を加えたとして公判中の元大阪地検検事正、北川健太郎被告(65)の弁護人が13日、報道各社の取材に応じ、現職検事の女性について「職権乱用した疑いがある」と明らかにした。公判で請求予定の検察側証拠に別事件の裁判資料が添付されていたことを問題視。女性が所属する大阪地検に調査を要望したという。
弁護人の中村和洋弁護士によると、女性の被害感情が記載された陳述書が検察側から開示された。この書面に今回の事件と関係のない準強制わいせつ事件の控訴趣意書が添付されていたという。
趣意書は2015年3月10日付で、地検次席検事だった被告名義で作成。当事者の氏名など個人情報が記載されていた。被告の公判担当検事は女性が入手したものと認めたという。
中村弁護士は「女性が自らの主張を裏付ける証拠として添付しているようだ」と指摘。通常業務で検事は過去の事件のデータベースを閲覧できることを踏まえ、「職権を利用しないと入手できない。個人の目的に使ったのであれば、職権乱用や秘密漏えいが疑われる」としている。
女性の代理人弁護士は「要望の内容が分からず、現時点で何か申し上げる立場にない」とコメントした。【高良駿輔】
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