路上を埋め尽くす人、人、人。
茨城・北茨城市で行われたのは、5年に一度開かれる「常陸大津の御船祭」。

商店や住宅が立ち並ぶ道路で、船が大きく揺れる。
そこには10人を超える男性がぶら下がっている。

その後、船は路上に並べられた木の上を引っ張られ、前へと進んでいった。

「常陸大津の御船祭」は、国の重要無形民俗文化財にも指定された、300年近い歴史を持つ祭り。

参加者「船を揺さぶる迫力。世界に誇れる祭りだと思います」

ところが2日、この祭りで事故が起きた。
大きく揺れた船が前に進んだその直後、船が突然止まり、観客を巻き込んでいるように見える。

事故の目撃者「途中まではまっすぐ来ていた。突然右に船首がぐっと曲がった」

進路から外れた船が、住宅のブロック塀に衝突した。

間に挟まれた観客2人と船から落ちた男性2人が、肋骨を折るなど重軽傷を負った。

この祭りでは2009年にも、船を引っ張るロープが外れ、直撃した参加者10人がけがをする事故が起きている。

船は木造で、大きさは全長約14メートル。
500人ほどの人力で引き回す、重さ7トンの船が直撃すれば、ひとたまりもない。

2日に4人のけが人を出した御船祭だが、3日も開催。
たくさんの観客の真横で、船は方向転換していた。

取材中、観客の女性がロープに足をとられ、転倒する場面にも遭遇した。

危険に見える祭りだが、主催者は...。

御船祭の主催者「両端の観客をどけてくれと。そろばん(下に敷く木)の脇には人がいない状況でやる」

2日の事故を受けて、3日の会場では、警備員が「ここは挟まれますから移動をお願いします。こちらの場所は大変危険です。御船の間に挟まれる危険がありますので」と呼びかける様子も見られた。

過去の祭りを見ると、左右に揺れる船の真横を観客が埋め尽くしている。

2017年の映像と比べると、安全のため距離をとっているのがわかる。

主催者は「5年後にもう一度やりたいので、安全のため、離れた場所で見てほしい」と説明している。

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