水俣病患者らでつくる団体との懇談で、水俣病患者連合の松崎重光副会長(右手前)の話を聞く伊藤信太郎環境相(左奥)=熊本県水俣市で2024年5月1日午後4時34分、吉田航太撮影

 熊本県水俣市で1日にあった水俣病の患者らでつくる8団体と伊藤信太郎環境相との懇談で、発言途中にマイクの音が消された水俣病患者連合の松崎重光副会長の発言要旨と、一連の主なやり取りは以下の通り。

 松崎さん こんにちは。忙しい中、本当に申し訳ございませんが、私は水俣病患者連合の副会長をさせてもらっている松崎重光と申します。

 私の家内は去年の4月に「痛いよ、痛いよ」と言いながら死んでいきました。結果としては、これは水俣病やと私は思っています。(妻は)魚が好きで、私は漁師だったので、2人で仕事をしていました。(原因企業の)チッソさえ水銀を流さなければ、死ぬことはなかったと思っております。それを、国が「水俣病ではない」と棄却ばっかりして、やっぱり、水俣病だったんだろうなと思っております。

 (妻は)苦しんで、苦しんで死んでいきました。私は病院に連れて行き、どうにかできませんかと(話したら)「モルヒネ打ってみなさい」と。「少しずつ入れていきよるばってんね、止まってくれれば良いけどね」と言われました。海に生きて、海で死んで、私は本当に悲しいです。

 私はいつも思っているんです。やはり水俣の会社が水銀をたれ流さんと、こういうことにはならなかったんだがね、と。私はいつも家内と話していました。

伊藤信太郎環境相との懇談で、発言のための原稿を見る水俣病患者連合の松崎重光副会長=熊本県水俣市で2024年5月1日午後4時33分、吉田航太撮影

(発言開始から約5分経過)

 環境省職員 申し訳ございません、お話をまとめてください。

(※マイク切れる)

 会場の声 スイッチが切られた。

 会場の声 あんたら、本当に水俣の被害者のことを考えたら、しゃべらせたら良いのに。

 会場の声 理不尽や。

 会場の声 聞いてやれーな、大臣。

(※マイク入る)

 松崎さん 苦しんで、苦しんで死んでいった者の気持ちをくんでいただけませんか。お願いします。以上です。

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