米アップル社が7日に発表した新型のタブレット端末「iPad Pro」の過激なプロモーション動画を巡り、日本国内から「まるでディストピアSFの一シーン」「表現の仕方が受け入れられない」などと批判の声が上がっている。
動画は1分間で、新製品を紹介するライブストリーミング「Apple Event」の中で「私たちは今日、iPadの可能性の限界を広げるだけでなく破壊します！」との前置きに続いて流された。巨大なプレス機械の間にアップライトピアノやトランペット、ギターといった楽器のほかレコードプレーヤー、胸像などが並べられ、プレス板がゆっくりと下りてきて次々に破壊していく。完全に押しつぶした後、プレス機が上がると薄型の新製品が現れるという内容だ。
同社のティム・クック最高経営責任者（CEO）がX（ツイッター）に「新しいiPad Proを紹介する」として、この動画を投稿すると、多くの人がこれを引用する形で動画を批判。作家・演出家の鴻上尚史さんは「いや、これは言葉を失う。まるでディストピアSFの一シーンみたいだ」と投稿した。ロックバンド「凜として時雨」のピエール中野さんは、動画を念頭に「言いたい事、伝えたい事は理解できるけど、表現の仕方が演奏家の1人として、どうしても受け入れられない」と不快感を表した。
他にも、音楽家らから「見ていてつらくなる」「悲しい気持ちが湧き起こる」「クリエーティブの歴史を冒とくしている」などとの投稿が相次いでいる。
一方、海外では物を壊すことに日本ほど抵抗感がないという意見や、アップル社の過去のCMでも他社製パソコンを破壊する動画があったことを指摘する投稿もあった。【西本龍太朗】
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