避難所で配給される食料を受け取る人たち=石川県珠洲市で2024年1月5日午前10時48分、久保玲撮影

 能登半島地震で甚大な被害が出た石川県珠洲市は被災者に無償で配布してきた弁当について、食中毒のリスクが高まることなどを理由に、15日以降は原則、避難所生活を送る人にのみ提供することを決めた。

 市は3月14日から避難所で被災者に夕食の弁当の配布を始めた。避難所以外で生活している人も含め、多い時には1日約2600食の弁当を提供してきた。

 市健康増進センターによると、提供の取りやめは気温の上昇により食中毒のリスクが高まることに加え、市内の店舗が再開しており生活の自立を促すためとしている。ただ、震災後に生活に困窮している人や自宅での食事の支度が困難な人などが今後も配布を希望する場合は、同センターに相談するよう求めている。今後は1日500~600食の提供を見込んでいる。

 同センターには「自分は対象にならないのか」「在宅の人にも配布を続けてほしい」などの声が寄せられているという。市はホームページで「ご自身で調理ができる方、買い物に行くことができる方は自立した生活に戻していきましょう」と呼びかけている。【井手千夏】

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