超電導送電システムを一部で導入した伊豆箱根鉄道駿豆線の車両

JR系の鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)は10日、電気を無駄なく電車に送る「超電導送電システム」を伊豆箱根鉄道(静岡県三島市)の一部区間で始発電車から再稼働させた。4月25日まで稼働させ営業時間に送電を続ける予定。

鉄道総研は同鉄道の駿豆線(路線距離19.8キロメートル)の大仁駅(静岡県伊豆の国市)そばに独自に開発した長さ102メートルの超電導送電ケーブルと冷凍機、ポンプなどを設置した。3月13日から同月22日まで新システムで送電した。営業路線への導入は世界で初めてだった。

その後、システムを一旦止めて点検した。「機器に問題はなく順調に稼働した」(鉄道総研)。今後は稼働期間を延ばして、システムの動作や安定性を確認しながら常時送電を目指す。

超電導送電システムは送電の際に電気が熱に変わる「送電ロス」が生じない。電力消費を抑えられ、温暖化対策に貢献する新たなシステムとして、鉄道各社が注目している。

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