JFEエンジがハウス食品の静岡工場(静岡県袋井市)に建てた発電施設の外観

ハウス食品グループ本社は、自社工場内で発電した電力をグループの8社18拠点に融通する取り組みを始めた。発電した電力と熱を工場内で使用するほか、余った電力は他施設に回す。対象拠点の二酸化炭素(CO2)排出量は2022年度比16.3%削減できる見込み。

JFEエンジニアリングが提供する「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」を導入し、15年契約で運用する。JFEエンジは静岡工場(静岡県袋井市)内に建設した発電施設から18拠点に電力を供給する。電力には、JFEエンジが供給する再生可能エネルギー由来の電力なども加える。

静岡工場に建てた発電施設は「ガスコージェネレーションシステム」と呼ばれ、ガスを燃料にして電気と熱を生成する。発電能力は約5500キロワットで、約1万2000世帯の電力に相当するという。

静岡工場のレトルト製造工程内にある「クッカー」と呼ばれる大きな釜。この中でカレーを煮込む際に蒸気を使う

静岡工場内では、発電と同時に発生する熱を蒸気と温水に変換して使用する。同工場内で作るレトルトカレーなどは製造時に蒸気と温水を多く使用するため、エネルギーを無駄なく利用できる。静岡工場のエネルギー使用量は20年度比21.5%削減できる見込み。

ハウス食品グループは50年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げる。これまでもハウス食品の福岡と奈良の2工場にガスコージェネレーションシステムを設置している。より規模の大きいシステムを導入することでCO2削減の取り組みを進める。

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