人材サービス大手のアデコは22日、世界の企業の経営層の人工知能(AI)戦略に関する調査結果を発表した。経営層の約6割がAIのスキルや知識に自信がないが、AIがゲームチェンジャーだと捉えていた。人材不足も懸念していて、AI担当者を外部から起用するケースが目立った。
2023年10〜12月に日本や米国、ドイツなど世界9カ国の計2000人の最高経営責任者(CEO)や最高技術責任者(CTO)らを対象に調査した。航空宇宙や自動車、エネルギーなど18業種に聞いた。
「自社の経営陣は、AIのリスクやチャンスを理解するのに十分なAIスキルと知識を持っているか」との問いに「同意しない」「どちらとも言えない」と回答した人は計57%だった。「AIは自身の企業が属する業界にとって、ゲームチェンジャーである」は61%だった。
「AIの広まりが5年後、自社に大きな影響を与える」とした経営層は67%だった。ただ変化を予測しているものの自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)が大きく進展しているとしたのは全体で11%にとどまった。
人材育成の面でも課題が浮き彫りになった。AIなどの専門的スキルを持つ人材の確保について、社内育成の34%に対して社外からの採用と答えた経営層は66%と約2倍だった。社外採用との回答が最も低かったのは日本で、51%だった。
アデコの平野健二社長は「経営層がAI活用のスキルや効果に確信を持てないと企業の変革は進まない。従業員はもちろん、各企業のリーダーが主体的に学んでいくことが必要だ」と語った。
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