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<パンダが竹を食べるというイメージはミスリード──最新研究で古代パンダの歯を分析すると驚きの食性が明らかに>
ドイツ・アルゴイ地方のハンマーシュミーデ遺跡で発掘された「パンダの祖先」の化石を研究していたチームが、初期のパンダは、竹を好む現代の子孫と比べて、はるかに多様な食生活を送っていたことを発見した。
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クレトゾイアルクトス・ベアトリクス(Kretzoiarctos beatrix)は、現代のジャイアントパンダの最も古い祖先と考えられている。この種は約1150万年前、現在パンダが生息している中国の竹林からは遠く離れた、ヨーロッパ全域やユーラシア各地に生息していた。
この研究論文の共同執筆者である独テュービンゲン大学のマデレーン・ベーメは本誌の取材に対し、「パンダが草食になり、竹などの植物を食べるようになったのは比較的最近のことだ」と述べた。
「パンダが竹を食べるというイメージはミスリードだ。彼らは1000万年もの間、竹を口にしておらず、植物もあまり食べていなかったのだから」
学術誌「Papers in Paleontology」に発表された研究論文によれば、クレトゾイアルクトス・ベアトリクスは現代のヒグマよりは小型だが、体重は100キロを超えていた。
歯には竹を食べる子孫と類似点があるものの、マクロとミクロ両方の視点から特徴を分析した結果、はるかに幅広い食性が明らかになった。
他のクマと比べてみると...
研究チームは、クレトゾイアルクトス・ベアトリクスの歯をさまざまなクマ科の動物と比較した。ヒグマ、ホッキョクグマ、絶滅種と現生種のジャイアントパンダなどが対象だ。結論は? 古代のパンダは硬い植物のスペシャリストではなかったし、純粋な肉食動物でもなかった。
マクロレベルで見ると、多種多様な食べ物を処理できる歯の形をしており、大まかな食性の手掛かりが得られた。ミクロレベルでは、歯の表面に骨などの硬い粒子が接触してできた傷やへこみが確認でき、それは同種が雑食性だったことを示唆していた。
ベーメは声明の中で「これらの結果は、クマの進化とジャイアントパンダの草食化を理解するうえで重要だ」と述べている。「最古のジャイアントパンダであるクレトゾイアルクトス・ベアトリクスは雑食だった。現代のパンダのような食性になったのは、進化の歩みのかなり後になってからだ」
ハンマーシュミーデ遺跡は2019年、初期の直立歩行の類人猿であるダヌビウス・グッゲンモシの化石が発見されたことで有名になった。以来、166種もの動物の化石が発見され、1150万年前の豊かな生態系が明らかになろうとしている。
「私たちはこの遺跡で、驚くほど多様な28種類の肉食動物を発見した。世界中の熱帯の生態系を見回しても、これほどの多様性はほとんど見られない」とベーメは話す。
古代のパンダの食性を正確に特定することは、彼らが肉を食べていたかどうかを特定するより難しい。「何を食べていたかについては、本当に推測の域を出ない。肉と骨が含まれていたことは確かだが、それらがどの種のものかまではわからない」
研究チームによれば、古代のパンダが食べていた可能性が高いのは、ネズミなどの小型哺乳類や魚類で、カメが含まれていた可能性もある。
ただし、ハンマーシュミーデ遺跡では古代のパンダの骨格は発見されておらず、その外見については多くの謎が残されている。
はっきりしているのは、気候変動によって初期のパンダは東への移動を余儀なくされ、そこで私たちがよく知っているパンダに進化し、竹を食べるようになったということだ。
(翻訳:ガリレオ)
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