国土交通省九州地方整備局は11日、熊本県の球磨川支流の川辺川に建設予定の流水型ダムの環境影響評価(アセスメント)法に基づく評価書の公告・縦覧を始めた。縦覧期間は11月11日まで。縦覧の終了で、約3年半に及んだ県が求めてきた手続きが完了。ダムの関連工事が始まる。
同ダムは、2020年7月の九州豪雨で氾濫した球磨川流域の治水対策として建設予定。本来はアセス法の対象外だが、蒲島郁夫前知事が建設の容認にあたって法と同等の手続きを求めたため、21年度から環境影響調査を実施。知事や国交相らの意見も踏まえ、最終的な評価書は全12章構成の計5230ページとなった。
県庁や流域市町村の役場のほか、インターネットで公表。説明会は予定していない。縦覧終了後、今年度内には建設工事で使用するための道路整備や、影響を受ける生物の移植などに着手する。ダム本体は27年度着工、35年度完成を目指す。
木村敬知事は、公表に合わせて「現時点において流水型ダムは環境に最大限配慮されたものと高く評価している。国には治水効果の最大化と環境影響の最小化に向け、丁寧な説明をお願いしたい」とのコメントを出した。【山口桂子】
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