会見する最先端半導体技術センターの東哲郎理事長(左)とテンストレントのジム・ケラーCEO(5日、東京都千代田区)

最先端半導体の量産を目指すラピダスや東大などが参画する研究機関「最先端半導体技術センター(LSTC)」は5日、人工知能(AI)半導体の米新興テンストレントとともに半導体設計の人材育成を始めると発表した。日本企業で働く若手の半導体技術者を中心に5年間で200人を米国に派遣してテンストレントの設計拠点で研修する。

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テンストレントに最長1年半派遣する「上級コース」のほか、東大や産業技術総合研究所の設計拠点で研修する「中級コース」、設計ソフトの利用法講座などの「初級コース」の3段階で研修プランを用意する。各コース合わせて1000人規模の利用を想定する。

2025年の年初に募集を始めて、25年3月までに研修を始める計画。主に日本企業で働く20〜30代の半導体技術者の参加を想定し、半導体分野の研究を担う大学院生などの参加も募る。

LSTCの東哲郎理事長(ラピダス会長)は5日に都内で記者会見を開き、「日本は半導体において遅れてしまい、人材面の強化も急務だ。長期的に半導体産業を伸ばす観点で人材育成が重要になる」と語った。

テンストレントのジム・ケラー最高経営責任者(CEO)も登壇し、「カリフォルニアとテキサスの我々の拠点でインターンとして働いてもらい、日本の設計分野の活性化を図る」と語った。

同研修プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の人材育成委託事業として採択された。5年間で最大75億円の予算がつくという。

LSTCはラピダス会長を務める東氏が理事長として22年12月に設立された。ラピダスやソフトバンクのほか、産総研や理化学研究所、物質・材料研究機構が組合員となり、東大や東北大など半導体関連の学科を持つ国立大学が参画する。

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