江崎玲於奈賞に選ばれた金沢大学ナノ生命科学研究所の安藤敏夫特任教授

茨城県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)は、ナノテクノロジー(超微細技術)分野で優れた成果を上げた研究者に贈る2024年度の「江崎玲於奈賞」に金沢大学ナノ生命科学研究所の安藤敏夫特任教授(73)を選んだ。

安藤氏は1〜2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの分解能でDNAやたんぱく質といった微小分子を壊さず、1枚数十ミリ秒で高速撮像できる原子間力顕微鏡(AFM)を開発。生体現象の直接観察に成功し、分子動態機構も明らかにした。

茨城県内の研究者が対象の「つくば賞」には物質・材料研究機構(つくば市)の谷口尚理事(65)と、同機構電子・光機能材料研究センターの渡辺賢司特命研究員(62)を選んだ。六方晶窒化ホウ素の高純度化技術開発などを評価した。

「つくば奨励賞」の実用化研究部門には、電子顕微鏡に革新をもたらす超高輝度の量子ナノ電子源を実現した物材機構の張晗(ザン・ハン)・マテリアル基盤研究センター主任研究員(44)。若手研究部門では体内時計の破綻に伴う障害発症メカニズム解明や治療法開発を研究する平野有沙・筑波大学医学医療系助教(39)を選んだ。

江崎玲於奈賞は1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎氏にちなみ04年度に創設。江崎氏のほかノーベル賞受賞者の白川英樹氏、野依良治氏、小林誠氏、元宇宙飛行士の毛利衛氏らが選考委員を務める。エネルギー事業が主力の関彰商事(茨城県筑西市)が協賛し副賞1000万円を贈る。

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