和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から予定されていた小型ロケット「カイロス」の2号機打ち上げは14日、上空の強風に阻まれ、15日に延期された。3月の初号機に続き、今回も直前の発射中止となり、計約4300人が詰めかけた同町と那智勝浦町の見学場にはため息が広がった。
串本町田原の田原海水浴場の見学場には早朝から次々にツアーバスなどで見学者が訪れて「その瞬間」を待ったが、発射予定の午前11時まで30分を切った時点で、場内に中止が告げられた。
海風が吹き付ける中、毛布や厚手の防寒着で長時間待ち続けただけに「えっ、飛ばないの」「いい天気なのに」と戸惑いと失望の声が起きていた。兵庫県西宮市から家族と訪れた小林快誠さん(10)は「ロケットが打ち上がるのが見たかった」と話した。
神奈川県から来た千坂修さん(54)も「めちゃくちゃ残念」と声を落とした。勤務する会社がカイロスを組み立てる際の足場を製造したといい、「今までも見学場に来ていたし、次も必ず来る。夢を持って関わったので、成功をひたすら待ちたい」と気を取り直していた。
田嶋勝正・串本町長は「自然のことで仕方がないが、全国から駆けつけてくれたロケットファンの皆様には申し訳ない。ただ、次の打ち上げもある。その時に向けて我々も警備態勢などの準備したい」と話していた。【加藤敦久】
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