都内のデパ地下には、名店や人気店の選りすぐりの弁当が集結しています。それだけにどれを選べばいいかわからないはず。そこで、BCの姉妹メディア『おとなの週末』が、デパ地下弁当を食べまくり。今回はつまみになる弁当を厳選しました。呑兵衛なら弁当で飲むのが至福!なんて人も多いはず。冷めても旨い弁当は、実はつまみとしても優秀だ。杯を傾けながらゆったりと楽しみたい逸品を揃えました。
撮影/鵜澤昭彦、取材/飯田かおる
■冷めても旨い京出汁の技あり『大徳寺さいき家』@銀座三越
超極厚のだし巻き玉子がインパクト大。箸で持つと重量感があってプルプル~ッと震える柔らかさ。これが、京都の仕出し料理店『大徳寺さいき家』の名物だ。冷めても香り高くふわふわのままなのは、昆布、カツオ、うるめ、サバ節などを合わせたダシをたっぷり含んでいるから。
穴子寿司は、柔らかく炊かれた穴子と上品なタレをもっちりとした酢飯が受け止め、ほろりとほどける口どけにメロメロ。はんなりとした旨さに翻弄されつつ、一献傾けたし。
■実直な仕事に満ちた江戸の味『亀戸升本』@伊勢丹新宿店、大丸東京、日本橋三越本店、銀座三越
この六角形にどれだけの手仕事が詰まっているのか。生のアサリからダシをとり、たっぷりの身とともに炊き込んだ主役のあさり飯は、滋味深く、しみじみ旨い。
朝イチで焼く玉子焼き、手ごねのつくね、煮物、亀戸大根のたまり漬け……どれも江戸前らしい濃いめの味付けながら、原材料から保存料を使わず、手作りで丁寧に調理されているからこそ、素材の味がしかと感じられる。
同店秘伝の辛味“亀辛麹”を、おかずやご飯につけて楽しめるのもオツだ。
■ビールが進むエスニックの妙味『タイ料理チャンロイ』@松屋銀座、松屋浅草
気軽なビールのお供として選びたいのは、こんなエスニック弁当。半分は、タイ料理の定番・プーパッポンカリーのエビ版。プリッとしたエビの食感、ソースのように絡む卵のまろやかさとスパイス感の調和に、ハマること請け合い!
もう半分には、爽快な辛さの鶏挽き肉バジル炒め、ナンプラー香るベトナム風揚げ春巻き、トムヤム風味の唐揚げがイン。国産米とタイ米をブレンドしたご飯も重くないから、アテに最適。飾らない味とボリュームにうれしくなる。
■明太子と海苔の絶妙なハーモニー『銀座十石』@松屋銀座
鶏肉にちくわ磯辺揚げ、きんぴら、玉子焼き。一見シンプルなおかずで構成された弁当だが、食べてうっとり。
ご飯に海苔が二段状に敷き詰められ、上段の海苔の下には明太子とカツオ節が半分ずつ潜み、どこまでも味わい深い。新潟県産の米“新之助”も旨く、海苔と明太子がいい塩梅で馴染む、馴染む!店頭のポップに書かれた“冷めるほどにおいしい”というキャッチフレーズは伊達じゃない。
大山鶏の西京漬もしっとり風味豊か。酒を合わせたくなる、大人好みの海苔弁だ。
■深い旨みが広がる、焼豚の誘惑『尾島商店』@西武池袋本店
酒呑みにはそそられるビジュアルだ。なんてったって、横浜・野毛の老舗肉屋『尾島商店』の弁当。大正12年の創業時から変わらぬ味を守り続ける焼豚がご飯を覆い隠すようにのっていて、どこか郷愁も誘う。
国産豚を秘伝ダレに漬け込み、炭火でじっくり焼き上げているから、噛みしめるとほんのり甘く、しっとり柔らか。それだけでもアテに最高だが、さらに鶏の竜田揚げ、味玉、きんぴらごぼう、高菜油炒めとくれば、杯が進むこと請け合い。
■名古屋コーチンを味わい尽くす!『伊藤和四五郎商店』@銀座三越
鶏専門店『鶏三和』の中でも、創始者・伊藤和四五郎の名を冠したブランド。焼鳥のつくねとモモ肉、塩麹唐揚げ、厚焼き玉子、月見つくねに至るまで、使っているのは名古屋コーチンだ。
焼鳥と唐揚げを頬張れば、名古屋コーチンならではの跳ね返るような肉質とジューシーな旨みに悶絶。名古屋コーチン卵の甘めの厚焼き玉子は濃厚なコクに目尻が下がる。
いずれもご飯のおかずにもつまみにもなる優秀さで、質といい量といい、満足感がハンパない!
『おとなの週末』/2024年4月号より
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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