当時、シティが生産中止になって以来、ポッカリと空いていた軽自動車のトゥデイと主力のシビックの間を埋めるモデルとして誕生したロゴ。意外にも知っている方がそれ程多くないと思われるこのクルマ。それもそのはず、街中で見かけることはほとんどない。ということは当時から人気ではなかったのか? 確かめるべく当時の記事をリバイバルしてみた。
この記事はベストカー1996年11月号(著者は徳大寺有恒氏)を転載し、再編集したものです。
■まるでスニーカー感覚!? ロゴはチョーお手軽!!
’98年までに年産80万台にするというホンダの”スタート80″。前号でも触れたとおり、RV攻勢で勢いづき、当初の計画を上回る好調ぶりを見せているホンダ。
それを確かなものにするための本命ともいえるのがロゴで、晴れて10月3日にデビュー。そのロゴの開発コンセプトは”ちょうどよさ”ということで、それをベースにパッケージング。
走行性能、安全性、環境対応、デザイン、価格などを徹底的に追求。
価格はもっとも安い3ドアBの77万円から最上級モデルの5ドアLのSキット装着車で116万8000円(ともに5MT)と高くなりすぎた感のある軽自動車も真っ青。
一見当たり前のように思えるこのコンセプトが意外に新鮮だったりするから不思議だ。では、ちょうどいいってことは、どの程度なのか具体的に見ていくことにしよう。
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■ちょうどいいサイズ! エクステリア&インテリアデザイン!
タイヤを四隅に配置するという、今のヨーロッパスモールカーのトレンドを採用。それによって、小さいながらもどっしりとした安定感のあるデザインに仕上がっている。
それと同時に、ウェストラインがリアに向かってせり上がるような形状から、キビキビした印象も受ける。
また視界確保のために、ガラス面積を多くしている(サイドウィンドウはUVカットガラスが全車標準)のも見逃せない。
パリサロンで発表されたプレリュードほどではないが、大きめのヘッドライトもロゴの特徴で、今後のホンダのトレンドか!?
次に内装だが、まぁ、ひとことでいうとシンプル。インパネのセンターに大きく配置されたスピードメーターの視認性はよく、エアコン、オーディオのスイッチなどの操作性もいい。
このクラスのクルマとして気になる室内スペースだが、キャビンが高く大きいので、ヘッドクリアランス、レッグスペースともに○。
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■ホンダといえばここでしょ…! メカニズム編!
ホンダといえばエンジンの話を抜きには語れない。高回転まで気持ちよくブン回るスポーツエンジンは五感をビンビンに刺激する優れモノとして定評がある。
しかし、今回ロゴに搭載されるまったくの新開発エンジンはこれまでのホンダエンジンとは性格が180度違う。
エンジンは1.3L、直4SOHのD13Bの1本立てで、最高出力66ps、最大トルク11.3kmgと、数字的に驚くものではないけど、”ハーフスロットル高性能″ということで、低中速での扱いやすさを最重視し、最大トルクの発生回転数は2500回転というところに注目してほしい。
これは1.3Lの小排気量クラスとしては光っていて、ストップ&ゴーの多いタウンユースでは効果大。
それに組み合わされるトランスミッションは、5MT、3AT、ホンダマルチマチックの3タイブから選べる(べ―シックグレードのBは5MTのみ)。特にマルチマチック仕様は10・15モード燃費18km/Lとクラス最高を誇る。
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■安全性だって、スゴいんだから
新設計の前後高効率クラッシャブル構造を盛り込んだ高剛性モノコックボディの採用や運転席エアバッグを全車標準装備。
また、今回ロゴではこれまでホンダではほとんどセットオプションとなっていたABSも単体で装着可能になった。
具体的に見てみると、ホンダのいう″ちょうどよさ″とは、必要最低限ではあるがそのレベルはかなり高いといえる。
最後にロゴのライバルだが、価格的には軽自動車も充分考えられるが、国産ではスターレット、マーチの老舗グルマと価格、クラスなどすべてでバッティング。
また、ヨーロピアンスモールカーの最新モデルのポロは排気量、価格などひとクラス上だが、ボディ形態などは同じということで、なかなか強敵。ヴィータもそうだ。
この熾烈なクラスにロゴが加わったことで、クルマ選びでまたひとつ悩みが増えたゾ。
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