当連載は、カーオーディオに関していだかれがちな“とっつきにくさ”の解消を目指して展開している。現在は「サブウーファー」に関連した分かりづらい事柄について解説している。今回は、「単体サブウーファー」の世界的な市場トレンドを説明する。

世界を見渡すと、単体サブウーファーはさまざまある! まず日本には…

まずは単体サブウーファーとは何なのかを簡単におさらいしておこう。単体サブウーファーとは、「サブウーファーユニット」が裸の状態で売られているもののことを指す。で、これを使おうとすると、「ボックス」と「外部パワーアンプ」とを別途用意しなくてはならないわけなので、導入のハードルは低くくない。しかしそれらにどのようなものを使うかで鳴り方をコントロールできるので、マニアの多くはそこのところを利点だと捉えて、敢えてこれを選択している。

かくしてそのようなニーズに応えるべく、世界各国のカーオーディオメーカーは単体サブウーファーをさまざま用意し販売している。

さて、世界にはどのようなモデルがあるのかというと……。

最初に国内市場から見ていこう。実は国産モデルは、製品数が少な目だ。各社とも単体サブウーファーを少数精鋭的に展開しているからだ。

「単体サブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-W1000RS)。

◆国産ブランドは25cmモデルを主体に展開。その中で「ビーウィズ」は独自路線を邁進!

例えば「カロッツェリア」は、ハイエンドラインの『1000RSシリーズ』で1機種、『PRSシリーズ』で1機種、そして世界展開する『チャンピオンシリーズ』で1機種、これら計3モデルをリリースするにとどめている。

なおカロッツェリアの『チャンピオンシリーズ』のモデル以外は、ともに25cm口径だ。口径的にはこのサイズが単体サブウーファーのスタンダートだ。ドアに取り付けられるスピーカーが17cmクラスである場合が多いので、それとのバランスが良いからだ。

一方、国産ハイエンドブランドの「ビーウィズ」も少数精鋭的に単体サブウーファーを展開しているが、口径的には独自路線を歩んでいる。トップエンドラインの『コンフィデンス ZEN シリーズ』では単体サブウーファーは18cm口径で、スタンダードラインの『リファレンス AM シリーズ』では16.5cm口径だ。ともに、重低音再生力とインストール性の高さとを両立させていることも特長としているというわけだ。

「単体サブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-W312S4)。

◆北米ブランドは特に、単体サブウーファーを多彩に展開!

一方、海外ブランドは国産メーカーと比べて製品数が豊富だ。まず欧州ブランドは、各ラインごとで単体サブウーファーも1つないし2つ程度を用意するパターンが多めだ。

そして北米メーカーは、さらに製品ラインナップが幅広い。北米には重低音をパワフルに鳴らして楽しむという文化が根強く息づいていて、複数発使いされることも多いのでそのときにシステムを組みやすいように、「インピーダンス違い」や「ボイスコイル違い」がさまざま用意されている場合が多い。さらには「口径違い」もいくつか用意され、重低音をしっかり鳴らしたいというニーズに幅広い製品群にて応えている。

また、音圧の大きさを競う競技車両に向けたハイパワーモデルもさまざま生産されている。

今回は以上だ。次回は単体サブウーファーのスペックについて説明していく。乞うご期待。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。