静岡大学情報学部の宮崎真研究室は9月22日、ヤマハ発動機、慶應義塾大学との共同研究により、1時間の休憩を挟んで再度シミュレータを体験することで、シミュレータ酔いを低減できることを発見した、と発表した。

ドライブシミュレータを利用すると、しばしば酔いが生じる。この酔いは、シミュレータを繰り返し体験して慣れると低減する。この慣れのことを「順応」と呼ぶ。従来の研究報告では、シミュレータ体験間に1日以上の間隔を空けていた。

もし、より短い時間間隔で酔いを低減することができれば、手軽で効果的なシミュレータ酔いの低減手法として実用できることが見込まれる。

ヤマハと2つの大学が共同研究しVRシミュレータ酔い低減法を発見

以上の着想に基づき、VRバイクシミュレータを用いた実験を行った結果、シミュレータ体験間に1時間の休憩を取れば酔いを低減できることが明らかとなった。

一方、6分間の休憩や酔いが無くなるまで休憩を取っただけでは、酔いは低減しなかった。このことから、順応を利用して酔いを低減させるためには、VRシミュレータ体験の記憶が一定の時間をかけて脳に定着するのを待つ必要があることも示唆された。

この成果は、VRシミュレータの利用に伴う酔いの問題の解決だけでなく、自動車や船舶といった乗り物酔い、ゲームや教育コンテンツなどの幅広いVRシステムの利用に伴う映像酔いの問題の解決にも応用できることが期待されている。

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