ホンダが三菱からPHEVのOEM供給を受けるという報道がなされている。独立独歩というイメージが強いホンダにしては意外な動きだが、過去にも同じような状況があった。いすゞのオフロード車ビッグホーンを「ホライゾン」として販売したのだ。だとしたらホンダ版アウトランダーは「ホライゾン」になるんじゃね?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部
■BEVに全力投球したいホンダ
9月23日、日本経済新聞が「日産がPHVを自社開発」と報じた記事の中に、「ホンダは三菱からのOEM供給を検討」という一節があった。
これはホンダの現状を考えれば合点がいく。ホンダは2012年に掲げた世界600万台体制に体力を奪われ、一時は4輪の営業利益率が1~2%まで落ち込んだ。
そこからの回復過程でコストを大幅に削減したハイブリッド「e:HEV」を開発したものの、そこで得た利益は将来のBEVやソフトウェアへの投資に回さねばならず、中継ぎ的なPHEVに投じる余裕はないのだ。
そこで8月に提携したばかりの三菱の力を借りようとなったわけだが、三菱のPHEVといえば、アウトランダーPHEVで決まりだろう。10月にはEV性能を高めた改良版も投入されるからタイミング的にも好都合だ。
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■車名はホライゾンにクロスロードが有力?
これまで、ホンダといえば「群れることを嫌う」という印象が強かった。しかし歴史を振り返ってみると、他社との提携がまるでなかったわけじゃない。
古くは1970年代にイギリスのBL(ブリティッシュ・レイランド)と組み、コンチェルトやレジェンドの兄弟車をOEM供給した。
1990年代にはRV(レジャービークル)ブームに対応するため、同じBLのディスカバリーをクロスロードとして発売、さらにいすゞとも提携してミューをジャズ、ビッグホーンをホライゾンとしてホンダディーラーで販売しているのだ。
というわけで今回のアウトランダー供給も決して驚く動きではないわけだが、気になるのはホンダがアウトランダーをどんな名前で売るのかということ。
ホンダ製モデルのネーミングをそっくり流用する可能性は低いから、意外とクロスロードやホライゾンが復活する可能性は高い。ちなみにジャズはフィットの海外名だから除外される。
ちなみに商標を検索してみると、クロスロードもホライゾンも依然ホンダが権利を保持しているようだ。さらにホンダは今年6月に「バージョン」という名称も登録しているから、これも候補となるかもしれない。
いずれにしろ、アウトランダーPHEVはまもなくホンダディーラーでも購入できるようになる可能性が高い。どんな仕様と価格で登場するのか、楽しみに待ちたい。
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