国際オリンピック委員会(IOC)と結んでいる五輪・パラリンピックの最高位スポンサー契約について、すでに公表したパナソニックホールデングスに続いて、トヨタ自動車も今夏のパリ五輪を最後に更新せずに、期限を迎える今年限りで終了すると正式に発表した。

豊田章男会長が自社メディア「トヨタイムズ」の配信動画で表明したもので、きょうの朝日なども追随して「IOC最高位スポンサー、トヨタ終了表明、豊田会長『1業種1社ルール自動車業界に合わない』」などのタイトルで取り上げている。

トヨタは2015年から24年までの10年契約で五輪の最高位スポンサー契約を締結したが、豊田会長は契約終了について、一部スポンサーの意向で競技時間が夜遅くになるといった運営実態に「ギャップを感じた」と指摘。五輪を巡る政治色が強まっているとの見方も示し、「アスリート・ファースト(選手優先)なのか」と疑問を呈したという。

また、豊田会長は「1業種1社」というスポンサーのルールが「(それぞれのメーカーが)国を背負う自動車業界に合わない」とも語っていた。

豊田会長の指摘はどれも「御説御尤も」ではあるが、契約終了時点で内向きの自社ディアに愚痴っぽくつぶやくばかりでは説得力に欠く。「カネも出すが口も出す」という強い姿勢を示さなければ腐敗体質などによる地盤沈下も防げないだろう。豊田会長は“幻のモスクワ五輪”元アスリートでスポーツ競技に精通しており、余人をもって代えがたい人材だけに「五輪の改革」にも気概を持って取り組んでもらいたかったが…。

2024年9月27日付

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