4代目プレリュードはスペシャリティかつスポーティなクーペに生まれ変わり、ホットモデルの「Si VTEC」では2.2Lで200PSを発生するDOHC VTECエンジンが話題となったが、インテリアはまだまだスペシャリティ感溢れるものだったのだ。
文/小鮒康一:写真/ホンダ
■未来的なバイザーレス・グラフィックメーターパネルを採用
今でこそインパネいっぱいに広がるバイザーレスのメーターを備える車種も珍しくなくなってきているが、今から30年以上前にプレリュードはそれを実現していた。
といっても現代のクルマのようにフルカラーの横長液晶パネルを備えるようなものではなく、実は内部で独立したアナログメーター(タコメーターとスピードメーター)と、液晶表示の燃料系と水温系を備えたワーニングメーターを横に並べて配置し、ワイドに見せていたものだった。
しかし、その狙いは紛れもなく未来感のあるものだった。
さらにインパネからドアパネルまでをつなげて包まれ感のあるサラウンドインテリアとし、オプション設定されていた「DSPサウンドシステム」装着車には、9スピーカーシステムを搭載。
この9スピーカーは、インパネ両サイド、フロントドア、リアシェルフに2つずつスピーカーを配した上にリアセンター部に大型サブウーファーを設置。
さらに前述のバイザーレス・グラフィックメーターパネルの前部センターに6cmのフロントセンタースピーカーを2個配置するというもので、スピーカーレイアウトを優先したこだわりの逸品となっていたのも特徴だったのだ。
残念ながら4代目プレリュードが登場したタイミングではすでにバブル景気も崩壊しており、スペシャリティクーペ需要もかなり落ち込んでいたため、それまでのモデルのような人気とならなかったが、確かに未来を見据えていたモデルであったことは間違いない。
まもなく登場する新型は未だインテリアは明らかとなっていないが、再び我々を驚かせてくれるようなものになっていることを期待して待ちたいところだ。
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