世界の自動車大手8社が設立した充電ネットワーク企業のIONNAは、最初の次世代EV充電施設「リチャージェリー」の建設に米国で着手した、と発表した。

IONNAは、BMW、GM、ホンダ、ヒョンデ、メルセデスベンツ、キア、ステランティス、トヨタの8社が共同で設立した合弁会社だ。同社は2030年までに3万基以上の超高速充電ステーションを展開し、都市部および長距離移動におけるEVの利便性向上を目指している。

今回着工した施設は、米国ノースカロライナ州エイペックスの歴史地区にある約100年前のガソリンスタンドを改装して建設される。充電ポートは10基設置され、最大400kWの出力と800V以上の電圧に対応する。CCSとNACSの両規格に対応し、屋根付きの駐車スペースで天候に左右されずに充電できる。

施設内には、ドライバー向けのラウンジも設けられる。トイレ、コーヒーサービス、飲食物、Wi-Fiなどが利用可能で、充電中にリラックスしたり仕事をしたりできる環境を提供する。また、屋外にはペット同伴可能なアメニティも用意される。

エイペックスは鉄道の蒸気機関車給水所を中心に発展した町で、その名前は当時の労働者たちが付けたものだという。IONNAは「充電のエイペックス(頂点)」を「良き暮らしの頂点」という町のモットーに重ね合わせ、新たな交通インフラの拠点としての役割を果たすことを目指している。

この取り組みは、急速に普及が進むEV市場において、充電インフラの整備が重要な課題となっていることを示している。自動車メーカーが直接充電ネットワークの構築に乗り出すことで、より使いやすく信頼性の高い充電環境を実現していく。

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