本誌『ベストカー』にて好評連載中の「有名人が語る 私とクルマの関係」。今回は、ボートレーサーとして活躍する根岸真優(ねぎし・まゆ)さん! 愛車はな、なんとマツダRX-7最後の限定車「スピリットR タイプA」!!! 自身と同じ年に誕生した「最後のRX-7」を所有する事になった経緯とは?
文:相田武将/写真:山田康弘/構成:伊藤明弘
■卒業祝いのビッグサプライズ
取材の待ち合わせ場所でRX-7から降り立ったのは、着心地のよさそうなワンピースを着た、どこにでもいそうな20代前半の女子。ボートレーサーとして活躍する根岸真優選手だ。
※編注:ボートレーサーになるためには、福岡県柳川市大和町にあるボートレーサー養成所で1年間の研修を積まねばならない(全寮制)。入所試験に合格しボートレーサー養成所を卒業できる倍率は定員に対して約45倍(2.2%/2023年10月入所:133期)と、かなり狭き門。身長や体重、視力などの制限も厳しいのだ。
そんな養成所の試験を1回目で見事に合格し、中高の運動部で鍛えた体力と精神力で、1年間の厳しい養成所訓練も何とか乗り越えて卒業を果たした根岸選手。
そして、養成所から自宅に戻ると、家の車庫には父親からの卒業祝いとしてRX-7(FD3S)が置いてあった。しかも、RX-7史上、最も走りに徹した最終限定車スピリットR タイプAである。
「父は、若い頃に憧れていたRX-7を見つけだし、私と一緒に乗れると思って買ってくれたそうです」と微笑む。
■旧車という言葉は気にしない
18歳で自動車運転免許を取得し、初めに所有したのはFDより古い1989年式マニュアルミッションのユーノスロードスターで、今も自宅に置いてある。
根岸選手は、伝説のクルマ漫画『頭文字D』の大ファンで、高校生時代からクルマへの興味があるのはそこに原点があるからだ。
次第に、旧車がマイブームだからでなく、現代にないデザインなどを旧車に求めるようになり始めた。特に、動きが可愛いというリトラクタブルヘッドライトがお気に入りだ。
FDを所有してから、ボートレースや練習の疲れを癒やしに、群馬の渋峠や横浜の大黒ふ頭にひとりでドライブに行くという。
「ドリフト? 考えたことはないです。タイムや順位を競うのは、仕事だけで充分。好きなクルマが集まる場所や景色のいいところで運転するのが好きなだけです」
でも、さすがにそんなところに女性がこの限定車をひとりで乗り付けると、注目が集まりちょっぴり恥ずかしいらしい。
■根岸真優選手が語る「My Dream」
「今は、レース運びもボートのエンジン調整もまだまだ未熟です。もっと練習して早くファンの皆様の期待に応えられるように頑張ります。そして、賞金を貯めて、FDをオリジナルに戻したいです。今の状態は、前のオーナーさんが手を加えている部分があるので」
年頃の女子なら服やアクセサリーに関心がいくところだが、根岸選手のFDへの愛は本物だ。
今後、頑張り屋の根岸選手が表彰台に立つ日が多くなるに違いない。そして、このクルマがオリジナルに戻る日も、そう遠くはなさそうだ!
■根岸真優 Profile
2023年11月、133期生として戸田でボートレーサーとしてデビュー。
中、高校では、陸上部で走り幅跳びの選手として活躍。高校卒業後は、ツアーコンダクターを目指して専門学校に通う。しかし、卒業年度に新型コロナが猛威を振るい、思ったように就職活動ができず、将来への希望が持てずにいた。その時、幼少期に両親と桐生(ボートレース場)を訪れた時のレーサーの勇姿を思い出し、趣味であるクルマ好きも活かせると思い、一念発起してボートレーサーの世界に飛び込む。
■出身地:埼玉県
■生年月日:2002年2月13日(22歳)
■サイズ:154cm、46kg
■血液型:O型
■特技・資格:スキー、 旅行のプランニング、 カメラ
■Instagram:@negishi5322
■愛車経歴:
・マツダ ユーノスロードスター/color ホワイト
・マツダ RX-7 スピリットR タイプA/color ピュアホワイト
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