VTECエンジンとそのボディ剛性、ハンドリングの良さから人気のシビック。現行に至るまで数多くの種類が販売されてきた。その中の「どの世代」が印象的かを自動車評論家の皆さまに伺った。みなさん、歴代のシビックタイプRのなかでどれがナンバーワン?

※本稿は2024年8月のものです
文:片岡英明、岡本幸一郎、清水草一/写真:ベストカー編集部、ホンダ ほか
初出:『ベストカー』2024年9月10日号

■サーキットで映えるタイプRの走り

歴代シビックタイプRランキング(1位25点、2位18点、3位15点、4位12点、5位10点、6位8点)

 初代のEK9から、現在のFL5までの6世代が対象。歴代1位は3代目のFD2となった。

■合計点で首位! 3代目のFD2を1位にした理由:片岡英明

ランキング第1位はFD2。3代目は、4ドアセダンベースのタイプRとして2007年に登場。搭載するK20型の2L・NAエンジンは225ps/21.9kgmを発揮

 シビックのタイプRは、熱いレーシングスピリットをストレートに感じる硬派モデルだ。

 なかでも鈴鹿サーキットを走った時の印象が強烈だったのが3代目のFD2。NAエンジンでリッター100psを軽く超え、8000回転オーバーまでパワーと刺激が持続した。

 サーキットで最速タイムを狙い、レーシングカーのように硬くしてパワーをねじ伏せる脚の設定も、今では魅力的と感じられる。

■片岡氏とは逆に、3代目FD2を最下位にした理由:清水草一

 まずデザイン。フォルムがあまりにも凡庸だ。「羊の皮をかぶった狼」かもしれないけど、ベースが羊すぎる! そしてあまりにもサスがガチガチ。乗るのが苦痛。

 こういうカッコ悪くてスパルタンなクルマがカッコイイっていう文化は、ランエボやインプを含め確実に存在するけど、私の趣味は正反対。特にサスに関して、こういうサーキットのことしか考えてないクルマは結構です。

■現行のFL5が1位ではなく2位だった理由:岡本幸一郎

第2位はFL5(現行)。現行型は先代よりパワーを10psアップ。330ps/42.8kgmの2Lターボ搭載

 ここも大いに悩んだポイント。前半の、高回転で勝負だった時代と、FFの量産車で世界最速を追求しはじめてからの時代では別物。

 どっちをとるかを考えた時に、いかにシビックらしいか、いかにタイプRらしいか、いかにホンダらしいか……と考えていくと、現状では僕的には自然吸気で、見た目があまり大仰でない前者だ。でも、もう何年か経ったら考え方が変わるかも。

■初代のEK9を2位と高く評価した理由:清水草一

 やっぱり初代は原点なので……。EK9って今見てもあんまり印象ないでしょ。それが逆にシブイなって思うんだよね。これとすれ違ったら二度見して「カッコいい!」って叫ぶよ。

 自分としては、初代の2位より、5代目を1位にしたことに注目してほしい。5代目FK8のシビックRって、後ろから見るとランボルギーニみたいで、ものすごくコッテコテで、すごくカッコいいと思うんだよ。究極のガンダムだよ!

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