ZFは、800V電気自動車(EV)向けのテストおよび検証施設を英国ソリハル近郊の研究開発拠点に新たに開設した、と発表した。この施設は、ZFにとって英国初の800V専用施設であり、次世代EVの開発と普及を促進することを目的としている。
施設の開発と設置には、英国の先進推進センター(APC)から一部資金提供を受けている。800Vアーキテクチャの採用を加速し、EVの効率性、充電性能、車両性能の向上を図るのが主な狙いだ。
現在、ほとんどのEVは400Vアーキテクチャを採用しており、200kmの走行距離を追加するには約20分の充電時間が必要。800V EVではその半分の時間で済む。さらに、800Vシステムは配線の軽量化など他の効率化も可能にし、シリコンカーバイドMOSFETと組み合わせることで最大10%の効率向上が見込めるとしている。
施設では、ZFのグローバル製品開発チームのテストが既に始まっている。最初の開発プロジェクトの1つは、トラックやバス向けの新しい燃料電池エアコンプレッサーの検証だった。また、ZFの商用車ソリューション部門が「IAAトランスポーテーション2024」で発表した新型燃料電池水素再循環ブロワーの検証も行われた。
46平方mの広さを持つこの施設は、小型モジュールから大型トラック用電動アクスルまで対応可能だ。安全性を最優先に設計されており、インターロック式のドアや緊急時の高速放電システムなど、様々な安全対策が施されている。
ZFは、この施設を学術プロジェクトにも活用する計画だ。既に英国機械技術者協会(IMechE)の高電圧トレーニングをサポートしており、将来的には英国のエンジニアが800Vシステムを安全に扱えるよう育成にも貢献する予定だ。
この新施設の開設により、ZFは次世代EVの開発を加速させ、自動車産業の電動化をリードしていく。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。