渋滞の真ん中で、「この上を抜けていけたらなあ……」と夢想したことはないだろうか? そう、渋滞の車列の真上の空間はガラ空きなのだ。日本のベンチャー企業、Zip Infrastructure株式会社は、その空間にロープウェイを通すという!!

※本稿は2024年8月のものです
文:角田伸幸/写真:Zip Infrastructure株式会社
初出:『ベストカー』2024年9月26日号

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■都市部の渋滞解消への切り札

ジップのロープウェイの走行イメージ。運転は自動でひとつのゴンドラに最大12人が乗れる

 都市の渋滞を解決しようと、革新的なロープウェイを開発しているベンチャー企業のジップ。ベストカー本誌にて過去にも紹介したが、いよいよ同社のロープウェイが、フィリピンで実用化されることになりそうだ。

 ルソン島中部のバギオ市にある米軍基地跡地に数百mの試験線を作り、ホテルやゴルフ場を結んで検証を行う。安全性が確認されれば市の中心部へ延伸し、実際に乗客を乗せて本格運用を開始するという。

 道路が飽和した都市部では、鉄道敷設が有効だが、用地確保や線路の敷設に膨大なコストがかかる。ジップの提案するロープウェイは、道路の中央分離帯などに支柱を立てれば運用できるため、モノレールと比べても約5分の1のコストで建設できるという。

 普通ロープウェイはワイヤに固定してワイヤ自体が動くが、ジップの場合はゴンドラ自体が自走する。ワイヤを2本使うため横風にも強く、分岐や急カーブにも対応できるそうだ。

 ジップは国内でも神奈川県秦野市や沖縄県豊見城市で導入に向けた検証を行っている。乗り物好きとしてはぜひ実現させてほしい!!

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