“欠陥車”とまでは言い切れないが、部品やシステムなどに不具合が見つかった場合、その対象車種を運転するドライバーにとっては、さぞかし気掛かりのことだろう。

ホンダと同社ベトナム法人が、『タクト』や『Dunk』、OEM(相手先ブランドによる生産)で供給したヤマハ発動機の『ジョグ』『ジョグデラックス』『ビーノ』などミニバイク(原付一種)6車種、延べ約108万台のリコールを国土交通省に届け出たという。

きょうの読売や産経なども社会面に取り上げているが、国交省によると、6車種の計65万290台(2013年12月~24年9月生産)はエンジン部品からオイルが漏れ、潤滑不良で異常音や破損が生じ、最悪の場合は走行中に後輪がロックして転倒する恐れがあるそうだ。不具合の申告は63件あり、うち2件は転倒事故が発生したという。

また、Dunkを除く5車種の計43万3498台(18年3月~24年3月生産)は、ブレーキレバーを握らなくてもストップスイッチの制動灯がついたり、エンジンが始動できなくなったりする恐れがあり、すでに不具合の申告が317件あったとしている。

マツダ CX-60 XD ハイブリッド

一方で、マツダは、人気車種の『CX-60』のハイブリッド車3万4461台(2022年7月~2024年8月)のリコールを国土交通省に届け出たという。

きょうの産経が報じているが、今回のCX-60のリコールは、動力伝達装置(トランスミッション制御コンピュータ)、原動機(エンジン制御コンピュータ)、電気装置(マイルドハイブリッド用バッテリー、ダッシュ・エレクトリカル・サプライユニット)の3か所に不具合が見つかったという。

例えば、マイルドハイブリッド車のトランスミッション制御コンピュータでは、クラッチ制御が不適切なため、モーターによるEV走行中に停止したエンジンを再始動する際、モーターとエンジンを繋ぐクラッチの締結タイミングがずれることがあり、最悪の場合、エンジンが再始動できずエンストする恐れがあるという。

すでにユーザーからも不具合の申告が合わせて112件も寄せられているという。ホンダが経営の屋台骨を支える二輪車なら、マツダは売れ筋の車種の不具合だけに業績への影響も気掛かりだろう。

2024年11月1日付

●保険金不正請求被害対応開始へ、旧ビッグモーター問題 (読売・8面)

●トヨタとNTT自動運転で協力、5000億円投資、AIで危険回避 (朝日・7面)

●合弁設立は回避、EV部品は提携、三菱電機とアイシン (朝日・7面)

●損保4社課徴金20億円、カルテル公取委「不正まん延」(毎日・22面)

●ホンダ、108万台リコール、マツダは3万4461台届け出 (産経・20面)

●自動ブレーキ限界?居眠り運転事故、大型トラック対象、広島大研究 (東京・9面)

●欧州車の競争力急低下、VW6割減益 (日経・2面)

●4輪特定小型原付き快走、免許不要、返納後の近距離移動に、高齢者需要、中小に商機(日経・16面)

●迷走エネチェンジの傷、会計問題でCEO辞任、幹部と対立、あずさ、100人監査追い打ち(日経・17面)

●トヨタ系8社、中国苦戦、4社純利益下振れ、車生産振るわず、今期 (日経・19面)

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