スーパーフォーミュラの最終戦を目前に、鈴鹿サーキットでは1台のフォーミュラカーが走行を重ねていた。なんとシビックタイプRにK20C 型エンジンをスーパーフォーミュラで使用されているSF19に搭載したという。その理由は一体?

文:ベストカーWeb編集部/写真:HRC、ベストカーWeb編集部

■シビックタイプRの心臓部をほぼそのまま搭載

FL5型シビックタイプに搭載されているK20C型エンジン。最高出力は320psを発生

 11月7日、鈴鹿サーキットではスーパーフォーミュラの最終戦を前に緊張感のある空気が漂っていた。そんななか、1台のスーパーフォーミュラで使用されていたマシンSF19が走行を重ねている。なんと搭載されているのは、あのシビックタイプRに搭載されている2.0L VTEC TURBO のK20C型エンジンをベースにしているというではないか!

 HRC-20Cと名付けられたエンジンは、用途に合わせて最高出力300ps台のスペックAから600psを発揮するスペックDまで4種類を開発。一般道では考えられないサーキットならではの、長時間フルスロットル走行に耐えうる耐久性を確保したレース専用のエンジンで、さまざまなカテゴリーへに対抗できるように図ったという。

 シリンダーブロックは量産品をベースに鋳造方法を工夫して強化。その一方で、強化ピストンやコンロッド、オイルジェットなど、ほとんどの箇所は量産K20Cエンジンと同様のものも使用しており、低コストで開発がなされているのもポイントだ。

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■HRC市販車モデル販売への布石か!?

ステアリングを握ったのは、ホンダワークスドライバーの塚越広大選手

 今回テスト車両に搭載されたのは、600psを絞り出したスペックD。量産エンジン部品を流用しつつ、高出力化に必要な部分には補強を加えており、ドライサンプ・ミッドシップマウントに対応したエンジンになっている。

 ちなみに、スペックBはすでにアメリカで開催されている米国のツーリングカーレースのTC AmericaのTCXクラスにも参戦中。実績は折り紙つきだ。

 レース専用エンジンでありながらが、市販車との関係も強く結びついているHRC-20C。HRCに4輪部門が追加されて3年目。モータースポーツとの関係が深い市販モデル販売に向けて、本格的に歩き始めたのはではないだろうか。

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