2023年同期比で営業利益が90%吹き飛び、世界で9000人の人員削減を発表した日産。その危うさは以前から指摘されてきたが、日本ではとにかくラインナップ不足を嘆く声が多い。ぐずぐずしてるヒマはない。まずは中国で売っているシルフィを「ブルーバード」として市販すべし。こいつにはなんと、ノート譲りのe-POWERだってあるんだぜ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車

■かつての傑作セダンの名前にあやかれ!

中国で市販されているシルフィ。初代から数えると4代目だ

 日産の復活には魅力的なクルマが不可欠だ。プラグイン・ハイブリッドはもちろん、魅力的なスポーツカーもほしい。

 しかし今から開発を煮詰めている暇はない。今すぐできる対策はないだろうか。

 日本市場で考えられることは、他国で売っているクルマを導入することだ。日産の海外専売車は数多いが、有望と思えるのが中国で売っているシルフィだ。

 シルフィはもともと、日産の傑作セダン「ブルーバード」から派生したクルマだ。このクルマをもう一度、ブルーバードとして売ってはどうだろうか。

 いまどきセダンなんて、と思う人は多いはずだ。そんな人は試しにトヨタ・プレミオの中古車をネット検索してほしい。流通台数が少ないこともあるが、5年落ち、走行2万km程度の個体が、当時の新車価格を上回る200万円後半から300万円で売られているのだ。

 これはつまり、日本には実用的なセダンを求める需要が一定数あることを意味している。ところが日本にはこの需要を埋める新車がカローラ程度しかない。いわんや日産をや、だ。

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■e-POWERなら市場性もバッチリ!

中国でのバナー広告。e-POWERは日本のノートと共通だ

 中国のシルフィだが、2019年に上海ショーでデビューしたモデルで、日本で売られていたモデルも含めると4代目となる。シルフィは2代目モデルからサイズが大型化し、このモデルも全長が4.6mあるが、北米カムリやアコードほど大きくないから日本でも扱いやすいだろう。

 いっぽうスタイリングは、そのカムリを思わせるようなスポーティなたたずまい。ルーフをブラックアウトしたツートーン仕様もあり、このあたりもカムリとの共通性を感じる。フロントマスクはリーフを思わせるVモーショングリルだが、ワイド感があって精悍だ。

 とはいえ、ただのガソリンモデルでは現代の日本市場は太刀打ちできないだろう。この点でシルフィが優れているのは、e-POWERモデルをすでにラインナップしていることだ。

 このe-POWERは1.2L直列3気筒エンジンを発電機代わりに用いるもので、基本的にはノートのユニットと同じ。システム出力は134ps/300Nmで、25.6km/L(※中国での値)という優れた燃費性能を誇る。

 どうだろう。こいつももう一度「ブルーバード」の名前で市販すれば、隠れたセダン需要を掘り起こせると思うのだが……。

冬の時代といわれるセダンだが、ホンダではアコードを再導入し、マニュアルモデルのシビックRSも人気だという。この勢いにあやかって、ぜひとも日産も波に乗ってほしい!

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