昔から三菱は多くの優良車を世に送り出してきた。そこでおなじみ国沢光宏・渡辺陽一郎・清水草一の3氏に、三菱車の過去から現在までの「オールタイムベスト5」を伺った。三者三様でバラエティ豊かなクルマが挙がってきた!!
※本稿は2024年10月のものです
文:国沢光宏、渡辺陽一郎、清水草一、ベストカー編集部/写真:三菱 ほか
初出:『ベストカー』2024年11月26日号
■国沢光宏の三菱車ベスト5
三菱のイメージを決定づけたのは、WRCでのランサーエボリューションの活躍である。車重が軽いIVやVIでもいいのだけれど、個人的にはグループA最強と言われたIXを選びたい。市販車と競技車両の差が最も小さく、強烈に速かったです。
2位はパジェロ。なかでもパリダカでのイメージが最も色濃い2代目を挙げておく。三菱自動車はいまだにこの時代のことを忘れられないらしく、パジェロを出せば売れまくると考えているようだ。
3位からは個人的な趣味です。三菱自動車といえばラリーでの輝かしい歴史。サファリで勝ったダルマランサーなどは大好きだが、ランサーばかりになってしまう。ここはランタボと呼ばれるランサーEXターボを選んでおきたい。
この業界に入ったばかりの頃、木全巌さんが駆るWRC仕様の開発車両に二本松サーキットで乗せてもらった時の記憶は、今でも鮮明だ。
4位は副変速機を駆使して操った初代ミラージュ。パワーはなかったけどインパクトがありました。そして大成功作となった初代パジェロミニ。デリカミニの先輩ですね。また、惜しくもランク外とした2代目デリカも楽しいクルマでした。
●国沢光宏の三菱ベスト5
1位:ランエボIX(2005年)
2位:パジェロ(2代目・1991~1999年)
3位:ランサーEXターボ(1981~1987年)
4位:ミラージュ(初代・1978~1983年)
5位:パジェロミニ(初代・1994~1998年)
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■渡辺陽一郎の三菱車ベスト5
三菱車の個人的ベスト1は1982年発売の初代パジェロ。それまで4WDは建設会社などが悪路で使う作業車ばかりだったが、初代パジェロは外観がカッコよく内装も上質。また悪路走破力のみならず舗装路での安定性も優れていた。4WDの歴史を変え、今日のSUVの礎を築いたといえる。
2位は軽自動車のi(アイ)。ミドシップレイアウトと斬新な卵型の外観、軽自動車で最長の2550mmのホイールベースを持ち、安定性と乗り心地に優れていた。軽サイズの電気自動車であるi-MiEVも市販化し、初代パジェロと同等に画期的だった。
3位は1983年登場の初代シャリオ。全高1525mm、全長4295mmとコンパクトながら、2625mmの長いホイールベースによって実用的な3列シートミニバンを成立させていた。
4位は初代eKワゴン。水平基調のボディはスマートで視界がよかった。全高は1550mmだから立体駐車場も使え、かつ居住空間も充分に確保され、重心高も適度で走行安定性がよかった。5位は初代ランサー。当時のカローラやサニーに比べ、安定性と操舵感が格段に優れていた。
●渡辺陽一郎の三菱ベスト5
1位:初代パジェロ(1982~1991年)
2位:i(アイ・2006~2013年)
3位:シャリオ(初代・1983~1991年)
4位:eKワゴン(初代・2001~2006年)
5位:ランサー(初代・1973~1979年)
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■清水草一の三菱車ベスト5
1位はランエボIV! というよりAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)が付いたランエボだ。筑波サーキットで試乗して、コーナー立ち上がりのあまりの鋭さに呆然! ハンドルを切った状態で、グイグイ曲がりつつものすごい加速をしていったんだよね。あの衝撃は忘れられない。
2位はデリカミニ。とにかくデザインがいい。小さいながら「三菱ここにあり!」って感じでしょ。ターボ付きなら動力性能も充分。実用性は軽ハイトワゴンそのもの。もっと売れると思うんだけど……。
3位は欧州からの逆輸入車だったカリスマ。足回りの仕上がりが欧州車そのもので、「三菱ってこんな地味にいいクルマ作ってたんだ!」ってビックリした。当時東京から京都まで往復したんだけど、あの接地感満点の引き締まった乗り味は忘れられない。
4位は現行デリカD:5だな。ダイナミックシールド第一弾でしょ。顔のインパクトが物凄かった。ディーゼルエンジンが採用されてトルクのある走りになったのもよかった。
んで5位はギャランVR-4。ランエボ伝説が始まる前の前奏曲だよね。もの凄く速くて驚きました。
●清水草一の三菱ベスト5
1位:ランエボIV(1996年)
2位:デリカミニ(2023年~)
3位:カリスマ(1995~2001年)
4位:デリカD:5(MC後・2019年~)
5位:ギャランVR-4(E30系・1987~1992年)
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