F1の商業権を長年握り、世界的スポーツへと成長させたバーニー・エクレストン氏(94歳)が、自身が所有する歴史的なグランプリカーとF1マシンのコレクション69台を売却する。
この貴重なコレクションの販売を担当するのは、クラシックカーやヒストリックレーシングカーの取引で世界的に高い評価を得ているトム・ハートレーJr社だ。同社はエクレストン氏本人から指名を受けたという。
エクレストン氏のコレクションは、グランプリカーとF1マシンの中でも最高峰と評されており、その全てが一般公開されることなく保管されてきた。中には50年以上も人目に触れていない車両も含まれている。
コレクションの目玉は、マイク・ホーソン、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハといった伝説的なワールドチャンピオンたちが実際にF1グランプリで駆ったフェラーリのマシンだ。また、ネルソン・ピケ、カルロス・パーチェ、そしてニキ・ラウダらが乗ったブラバムのマシンも含まれている。
バーニー・エクレストン氏が貴重な歴代F1マシン69台を売却特筆すべきは、1978年のスウェーデングランプリで唯一の出走で30秒以上の大差をつけて優勝した、ブラバム・アルファロメオBT46B「ファンカー」だ。この革新的なマシンは、わずか1レースの出走で伝説となった。
エクレストン氏は1950年代からF1に関わり始め、コノートチームでのキャリアを皮切りに、若手ドライバーのマネジメントを経て、ブラバムチームのオーナーとなった。その後、F1コンストラクター協会の代表として、エンツォ・フェラーリやコリン・チャップマンらと共にF1を世界的なスポーツへと成長させた立役者だ。
1987年にフォーミュラワングループを設立し、2017年まで30年にわたりF1の商業権を掌握。94歳の現在も、F1への関心は衰えていないという。
今回の売却は、F1の歴史そのものとも言えるコレクションが市場に出ることを意味し、モータースポーツファンや収集家たちの注目を集めそうだ。
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