トヨタが欧州向けに4.3m級の電動SUV「アーバンクルーザー」を発売した。小柄ながら4WDモデルもラインナップした本格派で、来年中旬にも市販するという。その中身をじっくり紹介しよう!

文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA

■まさかアーバンクルーザーの名前で登場するとは!?

トヨタ アーバンクルーザー

 2024年の師走に欧州トヨタが発表した「アーバンクルーザー」だが、ほぼ一カ月前にスズキが発表したエスクードのBEV仕様「eビターラ」の兄弟車だ。その原型は2023年末に公開された「アーバンSUVコンセプト」だが、そのスタイリングをほぼそのまま活かす形でデビューしてきた。

 アーバンクルーザーというネーミングは、もともと2代目イストの海外名として内燃機関車に使われたもの。2020年に新興国向け車両の名前として復活し、2024年春には、スズキ・フロンクスのOEMモデルが「アーバンクルーザー・タイザー」という名でデビューしていた。

 このため、BEVモデルについては別の名前で登場するのではないかと思われたが、欧州では「初代アーバンクルーザーがBEVで復活」という筋書きで、あえて同じ名前を採用したと想像する。

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■ヤリクロより140mmも長いロングホイールベース!

バッテリーは49kWhと61kWhを搭載。4WDは61kWhで184ps!

 まずはエクステリアだが、eビターラと造形を共有しつつ、フロントマスクにトヨタのアイデンティティである「ハンマーヘッド顔」をうまく溶け込ませてきた。

 ボディサイズは全長4285mm、全幅1800mm、全高1640mm。ポイントは2700mmという長いホイールベースで、全長で85mmしか違わないヤリスクロスより140mmも長い。エンジンコンパートメントを圧縮できるBEVの利点といえるが、広いキャビンのほか、5.2mという最小回転半径も実現している。

 プラットフォームは、電動プラットフォーム「e-TNGA」をベースにスズキと共同開発したもの。これをベースにFFモデルと4WDモデルをラインナップする。

 FFモデルは49kWhと61kWhという2つのバッテリー容量が選べ、前者は144ps/189Nm、後者は174ps/189Nmを発揮する。いっぽう4WDモデルは61kWhバッテリーのみだが、後輪に48kWモーターを追加し、トータルパワーが184ps/300Nmまで強化されている。

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■庶民はこれを待っていた! ぜひとも日本導入を!

メーターパネルとインフォテインメントディスプレイを一体化したインパネ回り

 前述した通り、ロングホイールベースが生み出す広い車内には、スライド可能なリアシートが備わり、はるかに大きいDセグ車なみのスペースが作れるという。リアシートは4:2:4で分割可倒式、リクライニング機能もあるようだ。

 ダッシュボードは、四角いエアコン吹き出し口がタフさを主張する台座部分に10.25インチのメーターパネルと10.1インチのインフォメーションディスプレイが一体で載っかるデザイン。アンビエントライトは12色に点灯するという。

 優れたアクティブセーフティと先進運転支援システムが搭載されることは、欧州を走るクルマとしてもはや当たり前。新型アーバンクルーザーは360度カメラシステムも備え、悪路走行時や狭い場所での駐車時に威力を発揮する。

 この他4WDモデルには下り坂での速度抑制ができるダウンアシストコントロールや空転車輪にブレーキをかけて反対側へトルクを送るトレイルモード、雪道でのタイヤの空転を減らすスノーモードも備わるそうだ。

 この新型アーバンクルーザー、日本導入が気になるが、現時点で日本発売のアナウンスはない。とはいえ日本には小型電動SUVが存在せず、発売されれば大きな注目を集めることは間違いない。

 アーバンクルーザーはインド生産となるが、これまたホンダWR-Vやスズキ・フロンクスといった先例がある。庶民にも手の届く手頃な価格で、日本デビューを実現させてほしい。

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