感想戦で対局を振り返る井山裕太王座=午後5時10分、大阪市北区の日本棋院関西総本部(柿平博文撮影)

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第4局が15日午前10時から大阪市北区の日本棋院関西総本部で行われ、午後5時1分、挑戦者の井山裕太王座(34)=碁聖=が184手までで、芝野虎丸十段(24)=名人=に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。持ち時間各3時間で、残りは井山王座が9分、芝野十段が1分。最終第5局は30日、東京都千代田区の日本棋院東京本院で打たれる。

序盤は右辺で黒地がまとまり、芝野十段が地合で先行。左上に攻撃を仕掛けたが、井山王座も白68から中央に突破を図って反撃すると、芝野十段が長考に沈んだまま昼食休憩に入った。

再開後は左上隅で互角の形勢に。芝野十段は中央の白三子を狙って仕掛けたが、井山王座は白108から110までつながりポイントを挙げる。緩まずに白116から右辺の黒地に手を付けると、白120が黒の薄みを突く妙手。右下隅を奪い返し、勝勢になった。芝野十段も中央を最大限まとめきったが、右下で失った地が大きく差を縮められなかった。

井山王座は「正しく打てれば手になると思っていた。最終局も悔いのないよう臨みたい」と意気込んだ。芝野十段は「右辺が大きくまとまればと思っていたが、あまり打ち方が見えず形勢が苦しかった」と振り返った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。