静岡大学などの研究グループが岩手県大船渡市に分布する地層から日本で最も古い植物の胞子の化石を発見したと発表しました。
従来の記録を1000万年以上さかのぼる発見だとしています。

日本最古の植物の化石を発見したのは、静岡大学のルグラン・ジュリアン助教などの研究グループです。

研究グループでは2021年、大船渡市日頃市町に分布する4億1000万年前から3億9000万年前の「前期デボン紀」と呼ばれる時期の地層から岩石を採取、それをすりつぶして電子顕微鏡で観察したところ、約15種類の植物の胞子の化石を発見しました。

静岡大学 ルグラン・ジュリアン助教
「初めて顕微鏡で観察したとき、たくさんの胞子が見られて本当に驚いた」

今回化石として発見された胞子は、現在のシダ植物や種子植物の祖先などにあたり、木になる植物はなかったということで、当時の日本の植生が初めて解明されたといいます。

静岡大学 ルグラン・ジュリアン助教
「前期デボン紀は(世界的に)最も植物が多様化した時代として知られている。前期デボン紀の日本にはゼニゴケの仲間と原始的な維管束植物の草原が実際に広がっていたことを初めて解明することができた」

研究グループによりますと、これまでの日本最古の植物化石は釜石市や福島県などで確認されていた3億8000万年前から3億6000万年前のもので、今回は従来の記録を1000万年以上さかのぼる発見だということです。

ルグラン助教は「今後も岩手の地層などを解析し陸上植物の進化や多様性の過程の解明を進めたい」と話しています。

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